無理して朝6時に起きる。さっさと身支度をして、地下鉄に乗って“Pick a Bagel”で朝食。またしてもベーグル。「トーフ・ベジタブル」なるペーストを挟んでもらう。豆腐というよりはクリームチーズのようだが、軽い口あたりで美味しい。カフェオレを飲み干してからホテルに戻る。トランクを下ろしてたちまちチェック・アウトを済ませて、旅行会社の差し向けのバンで空港へ。我々の荷物が重たいので、エクセス・チャージを取られるかも知れないと運転手に言われる。渋滞もなく小一時間でJFK空港に到着。


全日空ユナイテッドのカウンターが左右に拡がっている。全日空側は大渋滞だが、ユナイテッドの方は空いていて、しかもセルフ・チェックインになっている。銀行のATMの如き対話型のスクリーンがあり、マイレージの会員証を機械に差し込むと、Eチケットの詳細が表示され、座席の指定も出来、無人のまま搭乗券が出てくる。そこで初めて巡回中の職員が「ハァーイ、ミスター・ミズノ」とやって来て、トランクのチェックインをしてくれる。職員の数は少なくて済むし、手早く搭乗手続が出来るのだから、これはなかなか面白いシステムだと思うが、チケットレス・サービスの普及と、飛行機での旅行慣れが両立しなければ、日本での普及は難しいかも知れない。不慣れな旅行客が多ければ、職員の負担がむしろ増えてしまうだろう。心配していた荷物の重量は、66ポンド(約30キロ)と表示されていたが、咎められることもなく無事に通過。ゴールドメンバーが物を言ったのかも知れない。振り返ってみると、全日空の長蛇の列は一向に短くならない。概して日系航空会社の運賃は高い筈だが、その上待たされるというのでは何だか可哀想な気もする。いそいそと出国して、免税店を見る。品揃えはあまり豊富ではないが、およそ先進国の首都とは思えないドゴール空港の第1ターミナルに比べれば十二分に立派。マガジンショップで、誘眠剤が売られているのに気づく。妻ともども寝付かれないことが少なくないので買ってみることにする。これまで何度となくドラッグストアに行っていたのに誘眠剤に気が回らなかった。ひと通り買い物を済ませてから、ラウンジに行く。格安エコノミーの我々相手でも職員が暖かく迎えてくれ、内装も落ち着いている。コーヒーや果物を楽しんで時間を潰す。搭乗の列があらかた掃けたところでユナイテッド801便に乗り込む。機内は満席で、残念ながらシートのアップグレードを受けられず、ノーマルエコノミーに落ち着く。同じ座席でも足元が狭いだけで随分窮屈に思える。贅沢を覚えてしまうと良くないこともあるのだと自戒する。

Time to Fly
Time to Fly

posted with amazlet on 06.09.16
Karen E. Lansing
Herald Pr (1991/08)