Category: Traveling

イギリス旅行記(4) Thames as Highway

朝7時過ぎに起きる。ホテルで朝食を取ってからパディントン駅に向かう。急行列車の発車時刻が迫っていたので、急いで切符を買って飛び乗る。混んでいるのでデッキの補助椅子に腰かける。1時間余でオックスフォードに到着。レンタカーの事務所に向かうと、今度はルノー・クリオ(日本名ルーテシア)が用意されている。街を散策したかったので、暫く停めさせてもらうことにして、歩いて中心部に向かう。アーケード街でクッキーをかじり、土産物を皇太子殿下が学ばれていたマートン・カレッジを外から見学。ガイドブックに載っていた“Turf Tavern”というパブで取りたかったのだが、どうしても見つからず難儀するが、暫く歩いてようやく発見する。これから運転する僕は酒を控えるが、妻はビールを飲み、2人でパイとフィッシュアンドチップスを食べる。どちらも大きくて美味しい。すっかり満足してからオックスフォードを後にして、ブレナム宮殿を見学。予定より時間が押してしまったので、予定を変え立ち寄る街を1つパスして宿泊地スノースヒルに向かうことにする。その代わり、このウッドストックの街で少しのんびりすることにして、切手やカードを買ったり、喫茶店でクリームティ即ちスコーンと紅茶を楽しむ。スノースヒルのB&Bまでの道で再び迷ってしまうが、何とか陽の暮れる直前に到着。マダムが愛想良く迎えてくれる。ロンドンのボロホテルとは比較にならないキレイな部屋に案内される。夕食は供さないとのことなので、クルマで一番近くの村のパブに向かう。勿論街灯などないので、真っ暗な道をゆっくり走ってゆく。雨が振り出してくる。ようやく見つけたパブは、地元の人々の溜まり場になっているらしく、突然現れた日本人夫妻に物珍しげな視線を浴びせる。ラザニアとサラダを頼み、妻はサイダー即ち果実酒シードルをあおり、お代わりにビールを飲む。僕はもともと呑まないので何とも思わないが、酒呑みの人がクルマで旅行をすると怨めしい思いをすることもあるのだろうなと思う。宿に戻り、誰もいないダイニングルームを独占して手紙を書く。

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イギリス旅行記(3) Over Drive

朝7時過ぎに起きる。朝食を頂き、学校に行く子供たちや働きに出てしまう奥さんともお別れ。暫くお宅に留まって今日の予定を考えた後、ここから程近いウェスターハムに赴く。小さな町だが、趣きがあって散策していて飽きない。前夜奥さんに薦められていた喫茶店で昼食。牛肉の煮込みパイとツナサンド、ミルクティー。何れも美味しい。クルマに戻ると、パーキングチケットの時間をオーバーしたかどで違反切符が貼られている。高い授業料になったが仕方がない。高速道路でハンプトン・コート宮殿に向かう。テムズ川のほとりの古いお城を眺め、庭園内の喫茶コーナーで紅茶とキャロットケーキを楽しむ。ゆっくりした時間を過ごしてからロンドンに向かう。市内に向かうにつれて道も複雑になってくるが、なんとか宿の近くにまで到達。アールズ・コートより内側に入るとコンジェスチョン・チャージ、即ち8ポンドの渋滞税がかかるので、これを避けてホテル前に到着。荷物をおろして、チェックインをしてからクルマを返す。地下鉄でピカディリーに向かい、中華街の外れにあるインドネシア料理屋“Nusa Dua”で夕食。

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イギリス旅行記(2) Enchainted Places

暫く眠っていると着陸3時間前。ちまきと焼そばの朝食。ヒースロー空港には定刻よりやや早めに到着。が、入国審査が物凄い行列になっており、1時間以上も並ぶ羽目に。ようやく入国を果たし、ATMでポンドをおろしてから地下鉄で市内へ。アールズ・コート駅近くのホテルに向かい、今日は泊まらないが明日の夕方来る旨を告げる。トランクをひとつ預けてから、レンタカーのオフィスまで歩いてゆく。イギリス人にしては愛想の良い店員から、フィアット・プントをあてがわれる。なかなかかわいい。英国をクルマで走るのは初めてだし、ロンドンの市街地をマニュアル・ミッション車で走るのも落ち着かないが、左側通行なので気は楽。ドライブルートを日本からネットで調べていたのだが、たちまちに見失って迷ってしまう。何とか高速道路への順路を見つけてひたすら飛ばす。予定よりやや遅れて、クマのプーさんの舞台ハートフィールド村に到着。

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イギリス旅行記(1) Vol du nuit

朝9時過ぎに起きる。午前中は洗濯と部屋の掃除をして、午後イチに家を出る。上野のアトレで昼食を取り、15時前に京成線に乗り成田空港へ。空港に入るには身分証明書の提示を求められ、自動車もトランクをいちいち開けられたりする。我々日本人は昔から慣れっこだったけれど、同時多発テロ以前の世界では異様な光景だった筈だ。成田空港開港反対運動に関して違法活動を行う輩をメディアはなぜか「過激派」なる言葉で形容してきたが、ハッキリと「テロ組織」「反政府組織」と言っていれば、国民の成田空港を見る眼も変わっていたのではないかと思う。強引に土地収用や建設を進めた政府に問題があったのは事実だろうが、だからといって管制塔を破壊したり、空港施設や京成電車に放火することが許される筈は無い。

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アフリカ出張・その12 – Take me to you again

殆ど寝られないまま、消えていた機内の照明が再び灯り始める。成田空港には定刻より早めに到着。重たい手荷物を引きずる。トランクはパリで無事引き継がれたらしくちゃんと届いており、税関へ。「どちらへ行かれましたか?」と訊かれたので、「パリです」と抜け抜け答えて突破する。成田エクスプレスのチケットを買い求めて帰宅の途につく。既に丸一日寝ていないので眠たい筈なのだが、寝る気にならず、荷物の開梱と洗濯に取り掛かる。妻が食事を作り置いてくれたので、温め直して食べる。勤務先の飲み会に出ていた妻が22時過ぎに帰宅。長い一日がようやく終わる。25時頃就寝。

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アフリカ出張・その11 – Something Real

朝9時半にホテルを出て空港へ。ロビーは天井も高く、中世風の装飾も施されていて面白い。チェックインしようとするとトランクの重量が24キロあるのでエクセス・チャージを払えと迫られる。エコノミークラスなので重量制限が20キロなのだ。たった4キロでとやかく言われるのは初めてなので驚くが、「ちょっと待て」と、中身の一部を手荷物に移し替えて、何とか20キロ台に落として無事通過する。飛行機自体の総重量は変わらない訳だし妙な話だと思うのだが。「トランクはトーキョーまでスルーするけど、ジャパナーの搭乗券はここでは発券できないからパリでやってもらって」と職員に告げられる。何から何までケアして頂いた駐在員にお礼を申し上げてから出国。

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アフリカ出張・その10 – Business

朝から客先を2箇所訪問。昼食は昨日同様、”Chez nous”に行く。昨日はテラスだったが、暑いので室内にする。植民地時代の雰囲気そのもので趣がある。午後の最後のアポイントを終え、ホテルに戻り荷造りを始める。重たいものを出来るだけ手荷物に詰める。夕方、モロッコに発たねばならないアルジェ支店長を空港まで見送り、当地の駐在員と共にフレンチ・レストランで夕食。とても品のあるレストランで、気持ちが落ち着く。自分がアフリカにいることを忘れそうになる。キール・ロワイヤルをやりながら、あれこれ食べる。前菜もパスタもメインの牛肉も申し分ない。デザートのミルフイユを美味しく頂く。

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アフリカ出張・その9 – Sister Moon

朝から客先を訪問。フォーマルなフランス語を喋るのは久し振りなので気を引き締めるが、会談自体は和やかに終わる。昼食は、ブルギバ通りそばの”Chez nous”という老舗のカジュアル・レストランでランチメニューを頼む。駐在員の行きつけらしく、店員が暖かく迎えてくれる。午後も客先を訪問し、夕方ホテルに戻る。夕食は、別件の入った駐在員を置いて、アルジェ支店長と2人で海岸沿いの海鮮レストランに行く。あれこれ頼んで満足する。そして、酒を飲みながら、仕事の愚痴やら悩みやらを話し合う。空に満月が低く浮かんでいる。23時頃宿に戻り、ロビーでもう一杯呑んでから部屋に戻る。

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アフリカ出張・その8 – Holidays in the Sun

きょうから7月。やはり目覚ましをつけずに眠り10時前に起きる。今日も快晴。午後、駐在員が運転手を差し向けてくれ、カルタゴの遺跡を見学する。史跡があちこちに分かれているのだが、そのどれもが素晴らしく、その壮大さに言葉を失う。夕方、アルジェの支店長が合流する。当地の駐在員と3人で、市内のレストランに入る。恐らくはフランス植民地時代の邸宅を改造したのだろうが、とても開放的で清潔感溢れてた落ち着いたつくりで、ほぼ満席の賑わいを見せている。アルジェ支店長に、どこでフランス語を習ったのかと訊かれたので母校の名前を口にすると、何だお前俺の後輩かと言われ吃驚する。世間は狭い。昨日に引き続き、クスクスを食べる。昨日のとは違って量も多くなく、また大味でもなく羊も美味しい。デザートにアイスクリームを食べ、濃いコーヒーを飲んで満足する。

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アフリカ出張・その7 – Baby Driver

週末なので、目覚ましをつけずにぐっすり眠る。昼頃にタクシーでチュニス市内に出かける。オンボロのゴルフでガンガン飛ばす。市内一の大通り、ベンガジ通りで降ろしてもらい、あてもなく市内をうろつく。雲ひとつない快晴で陽射しが強い。大通り沿いの煙草屋で、絵葉書と切手を売っていたので買い求める。店主は無愛想だが親切に「どこへ送る葉書か」と日本向け料金ちょうどの切手を出してくれる。土産物屋などが乱雑に立ち並ぶメディヌに近づくと、現地人がにこやかに「日本人だろう。俺はお前の泊まっているホテルのボーイだ」という。こちらに見覚えはないので極めて怪しいが、話を聞いていると、「今日はもう勤務がハネたので、お前を街に案内してやろう」とのたまう。

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