朝9時半にホテルを出て空港へ。ロビーは天井も高く、中世風の装飾も施されていて面白い。チェックインしようとするとトランクの重量が24キロあるのでエクセス・チャージを払えと迫られる。エコノミークラスなので重量制限が20キロなのだ。たった4キロでとやかく言われるのは初めてなので驚くが、「ちょっと待て」と、中身の一部を手荷物に移し替えて、何とか20キロ台に落として無事通過する。飛行機自体の総重量は変わらない訳だし妙な話だと思うのだが。「トランクはトーキョーまでスルーするけど、ジャパナーの搭乗券はここでは発券できないからパリでやってもらって」と職員に告げられる。何から何までケアして頂いた駐在員にお礼を申し上げてから出国。



免税店で、当地名産のワインやオリーブオイルやデーツを買う。出していない絵葉書があったことに気づくが、例によって出国後なのでポストがあるかどうか分からない。カフェの店員に訊いてみると、親切にも店から通路に出て在り処を教えてくれ、無事発見したフランス式の黄色いポストに手紙を投函。エールフランス1985便に乗り込む。席に着くと途端に睡魔に襲われ、気づくと既に機体は上空にある。このように突然眠るというか落ちることが少なくなくなった。ドゴール空港には定刻に到着し、客室乗務員が「スカイチームの一員、エールフランスよりご搭乗の御礼を申し上げます。」と放送を締めくくったとたん、声が男性に変わり、「皆さま、アナウンスを担当した彼女は本日誕生日を迎えました。どうぞ、祝福してください。」すると機内から盛大な拍手が沸き起こる。心が和む光景。空港に降り立ち、乗り継ぎカウンターで成田行きの搭乗券を発券して貰う。日航が飛ぶターミナルだからなのか、日本人の客がかなりカウンターに居る。カウンターの職員は、時折フランス語の混じった英語で応対しているが、こんな訛りが強くて日本人に理解してもらえるのだろうかとも思う。乗り継ぎゲートで荷物検査を受けるが、液体は持ち込めないと言われる。このワインやオイルは免税店で買ったんだからいいじゃないかと反論するが、EU圏外で買った品物はアクセプトしない由。仕方なくその場で処分してもらうことに。一滴も飲まないまま捨てられてしまいガッカリするが、気を持ち直してこの空港の免税店で再び酒を買う。妻へのお土産も整えてから、日航416便に乗る。往路と同じB777-200。以前に友人から聞いていた通り、パックツアーの観光客だらけで面食らう。時計を7時間進めて、隣席の老夫婦がどうにも落ち着きのない方で、とりわけ、ご主人は食事中にビールやワインをしこたま飲んだ挙句に眠ったかと思ったら大きく体を揺さぶり、果ては嘔吐し始める。いきおい、こちらも寝られなくなるが、エコノミークラスの座席にもコンセントがあることに気づいたので、パソコンを広げて出張報告を書き始めることにする。

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