絶対にモテない男が決まって云うセリフ:
「なんでアイツにはカノジョがいるんだ(なのになんで俺にはいないんだ)」
 
これって疑問形の体裁をとってはいるけれど、自分に至らない点があるかどうかの反省や模索をしてるんじゃなくて、自分で決めた勝手な基準でアイツを下に見ているだけではなかろうか?
 
でも、どんなに他人を見下そうとも事実として女の子は自分じゃなくてアイツを選んでいるわけで、見下してるはずの人間が欲しいものを手に入れて、自分は手に入らないってことは、自分で決めた基準に重大な瑕疵があるのは明らかだと思うんだけど… 自分だけ間違ってないのに周りが全員おかしいって言いたいんだろうか…
 
それ以前に、アイツを選ぶ女の子にはその子自身の基準があるんだっていう当たり前の想像力を、その人は持っているんだろうか。
相手の考えに寄り添うんじゃなく、あくまで自分のモノサシだけで他人を見下そうとする限り、そんなジコチューでひとの気持ちを顧みない男からはますます女の子が遠ざかる結果になるとは考えないんだろうか。
 
つまるところ、いつまでたってもモテない輩の言い草の本質は、実は支配欲や所有願望でしかなく、相手を理解し他人を他人として受け入れることではないんだろうと思ってしまう。
 
自分の思い通りにならない不満を人のせい、社会のせいにして、自分は悪くないと主張したり、アイツは大したことのない奴だとわめいてみても、事の本質を紐解く努力をしないことには、欲しいものを手に入れられやしないと思うんだけど。
 
分かりやすい例えとしてカノジョって言ったけど、もちろん他のことにも当てはまるだろう。
 
自分の意見や判断基準を持つことは大事だけれど、その前提と違うことが起きた時に「なんで」「おかしい」などと即座に否定するだけ、都合の悪いものを視界から排除するだけでは、その人自身が進歩することは決してないんだろうと思ってしまう。人生は一方通行ではない。
 

Life Is a Two Way Street
Life Is a Two Way Street

posted with amazlet at 17.03.20
Rhombus Records (2011-11-08)