「自分はいつも下に見られる。見下される」
と愚痴を言う人って、実際のところは「自分は少なくとも相手と同等以上」という身勝手な前提や値踏み、思い込みでつくった俺様ルールを強要しようとしているだけではないのか。そのルールが現実世界と噛み合わないときに、相手のせいにしても詮無い話だろうに。

「女の子にプレゼントしてもお礼ひとつ言われない」
と嘆く人は、単に相手を見る目がなくて、その程度の相手に無駄な投資をしただけ、いわば外した馬券に文句を言ってるだけ、と言ってしまえばそれまでだけど、もしも当人に
「自分が君にプレゼントをあげたのだから君も僕に感謝すべきだ感謝しなさい」
という思考があるのだとしたら、それは何かを与えるフリをして、実は相手に求めているだけ、自分の考えに服従させたい、支配したいだけではないか。

「どうしてアイツのほうがモテるんだ」
「どうして俺は合コンに誘われないんだ」
といった疑問形を連発する人もいるけど、自己評価ほどの価値が実は自分にはない、少なくとも周囲はそう思っていない、という現実を受け入れられないだけではないか。

当人が普段から「俺のほうが凄い」「俺カッコイイ」というマウンティングを試みているからこそ、「あーいう勘違い君はちょっとね」と周囲に思われているだけではないのか。
相手を尊重したり受け入れるよりも、俺は凄いだろう凄いだろうと言い募るだけの輩をわざわざ合コンに投入しようとか、ましてや、お付き合いしてみようかしらなんて思う人などいる筈もあるまいに。

たまたま男性を例に挙げたけど、自分がかわいい、美しいと勝手に評価している女性であっても同じこと。
自分に自信を持ったり、自分の考えをブレずに貫くのは立派なことには違いないけど、そのプライドが、自分が他人より上という身勝手な論理の構築にしか向かっていないのだとしたら、現実世界で楽しく生きることは難しいんじゃないかなぁと思ってしまう。

男の勘違い
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