朝8時半起床。のんびりと支度して、11時半に家を出る。茅場町から上野に出て、京成線に乗り換え。スカイライナーではなく普通の特急で成田へ。冷房が効き過ぎているせいか、鼻がぐずついてくる。朝に人身事故があったらしく、その影響で何度か減速、成田空港へは定刻の5分遅れで到着。新幹線用に設計された所為で、ばかに広いつくりのホーム?コンコースを抜けて南ウィングへ。新装成って初めて踏み入れる出発ロビーは、間接照明を積極的に用いているためか、落ち着いた趣き。チケットは格安航空券なのだが、会社のおかげで上級会員になっているので、専用のカウンターに向かう。すると、職員がやおら寄ってきて「ゴールドメンバーの方でしょうか」と訊いて来る。だからここに来てるんだろうと言いたくなるが、他意はないのかも知れないし、傍目には何も知らない若いカップルがノコノコ歩いてきているようにしか見えないのかも知れない。要は僕に風格が漂ってないということなのだろうが、背広を着たビジネスマンの格好をしていたらこういう訊き方はしないのではないかと思う。果たして、会員証を見せると途端に「いつもありがとうございます」などと言ってくる。カウンターはガラガラで、難なくチェックインが完了。「海鮮三崎港」で回転寿司の昼食。2人して空腹だったので、勢い良く食べる。書店を覗き、大下英治の『錬金術師』を買ってから出国。


広くなった免税店を歩いて回る。土産物をととえてから、ラウンジで休憩。前回、ヒースローのラウンジが余りにもオンボロだったので身構えていたら、流石に出来たばかりのターミナルだけあって、綺麗で広くて落ち着いている。人種も雑多で、早くも米国に来たかのような雰囲気。出発ぎりぎりに搭乗。ウーピー=ゴールドバーグのような風体のドレッドヘアの客室乗務員に笑顔で迎えられる。案内された席には「エコノミープラス」なるステッカーが貼られており、座席自体は変わらないがシートピッチが拡がっていて膝を伸ばすことが出来る。カウンターで「足元の広い前方のシート」にアップグレードしたと告げられていたのだが、ようやくその意味が分かる。鼻を抑えるために風邪薬を飲んだ所為で、離陸前からグーグー眠る。とにかく眠る。昔は、飛行機に乗るなどというと興奮して前夜もロクに寝られず、何時間のフライトだろうと起きていたものだが、仕事に就いてからというもの、飛行機のキャビンはただの寝床になってしまった。機内食は意外にも美味。機中の殆どを睡眠にあてたおかげで、あっという間にニューヨークに到着。長い入国審査の列を抜け、ようやくロビーに到着。旅行代理店差し向けのバンでホテルへ。古びたつくりの宿だが、思っていたよりも狭くはない。コリアン・タウンに出向いて「チョダンコル」で夕食。妻は豆腐チゲ、僕は石焼ビビンバを食べる。美味しい。見るからに韓国人と思しき人が列を作っていたので、不味い筈はないだろうと思っていた。ドラッグストアでミネラルウォーターを買い、絵葉書を調達してからホテルに戻る。長い一日が終わる。

オースティン・パワーズ ゴールドメンバー
ポニーキャニオン (2006/07/19)