昨年に続いて、先日大学の出身学科の就職懇談会に参加した。
 
二度目なので、自己紹介とグループディスカッションの段取りを心得ていたから、ぶっつけ本番だった昨年よりは旨く話ができたんじゃないかと思う。
意外だったのは、就活を控えた3年次だけでなく1、2年次の若い学生の参加が目立ったこと。各人各様に思うところがあるのだろうと推察した。
 
今回、自己紹介の後段に時間が余ったので「これから皆さんに必要になる資質は『人を不安にさせない心がけ』ではないか」と話してみた。お客さんや上司同僚が抱く小さな不安の気持ちにキチンと応えることが肝要。巷間言われる「コミュ力」も根っこは同じ。皆さんが懇談会に来たのも恐らく就活への不安を和らげたいからであって、採用する側だって皆さんへの不安は少ない方が嬉しい筈だ、と。それで学生たちがどう思ったかは分からないが、事の本質を見失って欲しくないと心から願う。
 
そして不安という意味では、懇談会を運営する同窓会の仕切りにはいささか心許なさを感じてしまった。
1ヶ月前になっても開催告知がなく、舞台裏ではあたかも合コンの人集めのような軽いノリのメールが飛び交っていたけど、肝心の懇談会の内容の議論や、講師役たる卒業生への事前のケアはほぼ皆無。会場への入館方法さえ案内がなく、突然本番に放り込まれるだけ。
 
そして、これを書いている時点で懇談会から1週間以上経つけど、事務局からはお礼もフィードバックもない。
僕は今回、少しでも懇談会が充実したものになればと、同期や後輩らを誘って5名に参加して貰い、各々が仕事を休んだり調整して来てくれたんだけど、そうした人たちが、来年以降も誘われて参加したいと思うだろうか。
 
毎年同じやり方だからいいんだ、という主張もあるだろうけど、フォローアップも改善もない合コンモドキを同じように続けて、それで学生も講師もハッピーになるのか、僕の不安は大きくなるばかりである。
 

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