産経新聞の記事をそのまま引用します。
首相靖国参拝は日中関係の構造改革
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小泉純一郎首相の6年連続の靖国神社参拝、中でも今回の8月15日の参拝は、「歴史カード」を手に譲歩を迫る中国と、歴史上の負い目からそれに従い続ける日本という、20年来固定化していた日中関係のあり方に「構造改革」をもたらした。平成13年の流行語大賞にも選ばれた「聖域なき構造改革」を掲げて登場した首相は、小泉劇場の幕を閉じるに当たり、最後の改革を成し遂げたといえる。
また、首相が5年前の自民党総裁選の公約だった15日の参拝を果たしたことは、本来は優れて国内問題である戦没者の慰霊・追悼のあり方を、外国の干渉下から取り戻し、日本人自身の手に取り戻す大きな契機にもなり得るものだ。
首相の参拝継続によって、「中国は、すでに靖国カードが通用しなくなったことに気付かざるをえなくなった」(アジアの外交官)。今月3日に死去した前上海総領事の杉本信行氏は「中国は首相が8月15日に行くことを含んで想定しており、15日に行こうが行くまいが、結果は同じだ」と語っていた。きょうの首相の参拝は、そうした中国側の事情を読み切った上でのことだった。
持続的な経済成長のために日本との協力が不可欠な中国側に、「思うような成果は上げられないのに、これ以上、靖国問題でもめ続けるのはもう辟易(へきえき)」(外務省幹部)といった受け止めも広まっている。
首相が、中国が最も嫌がった15日にあえて参拝することで「次期首相がたとえ春秋の例大祭に参拝しても、中国側は『小泉氏よりましだ』と対応を控えることができる」(政府関係者)のも事実だろう。次期首相への就任が有力視される安倍晋三官房長官への「置き土産」だったのかもしれない。
「中国は、日本人の心の問題に踏み込んだことをきっと後悔する」
首相はかつて周囲に、こう漏らしたことがある。その通り、中国による日本の政界、財界、マスコミ界も総動員した靖国参拝反対キャンペーンは、日本人の贖罪意識を強めるどころか、中国への警戒心や反中感情を高める結果になっている。
首相の靖国参拝は、敗戦国に対して優位に立ち続ける中国と、その言いなりになる日本という不正常な両国関係を、対等で普通の関係へと一歩近づけたのは間違いない。 (阿比留瑠比)