眠いが何とか出社。本所次郎・著『ロッキード疑獄』を読了。この事件の主役であるロッキードL-1011や、ライバルのダグラスDC-10など、いわゆるワイドボディ旅客機の総称としての「エアバス」という用語(現在は、Airbus Industrie社が設立されブランド名になっているため、この意味では使われない)が出てくるのが時代を感じさせて微笑ましいが、本著では田中角栄の金権政治批判に終始せず、日本の航空業界にうごめく男たちの思惑と角逐が描かれているのが眼を引く。全日空が躍進を目指す上での最大の障害であった日本航空のドン、朝田静夫の名前が何度も出てくるが、その子息が、あの疑獄の渦中にあった丸紅社長に、この4月からなりおおせたというのも、歴史の皮肉というものなのか。いわゆるロッキード事件については、時間をかけて詳しく考察したいと思う。深夜まで働いて帰宅。


ロッキード疑獄 (だいわ文庫 H 70-4 影の権力者の昭和史 4巻)
本所 次郎
大和書房
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