Category: Diary

旅の終わり

寝起きは悪いが気持ちを切り替えて出社。夕方、海外駐在員が現地で急逝されたとの情報が入り、部内が騒然となる。面識はないが入社年次で言ったら2年しか違わない。自宅で突然倒れて帰らぬ人になった由。直ちに社長にまで報告が上がり、外出中の部長にも連絡が入る。人事部が緊急態勢を敷いて対応することに。いつかは終わる旅であり、いつかはめくられる最終ページが存在するのが人生ではあるのだが、言葉にならない気持ちがこみ上げてくる。ご本人の無念は勿論のこと、残された人たちの気持ちは察するに余りあるものがある。

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休暇明け

昨晩ぐっすり寝たせいか気分が良い。久しぶりの出社。いつもより30分以上早く来て仕事に取り掛かる。休暇中山のように届いていたメールを裁いているうちにお昼。元外務官僚の顧問を囲んでのランチ・ミーティングに出席。話は面白い方だが仕事に直結しない話題に終始する。午後、時差ボケがジワジワと襲ってくるが堪える。日付が変わり、終電を逃してしまう。

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イギリス旅行記(8) I live up to a Tokyo…

香港空港で、往路と同じようにトランジット・ゲートをくぐって免税店街へ。朝7時前だというのにティファニーもコーチも開いている。日本には無いゴディバのクッキーや、偶々出店していたニューヨークの「キールズ」のショップでクリームを買う。そういえば、今回の旅行ではお酒を全然買わなかった。このご時勢、液体を運ぶのが厄介なことは勿論だが、家の酒がなかなか減らないのも大きな理由。往路とは違う中華料理のスタンドで焼そばを食べる。ラー油をかけると、物凄い辛さが襲ってくるが、日本のものと違ってなぜか後味は心地良い。CX504便に搭乗。往路と同じダッシュ400。B777へ移行するエア・ラインが多い中、キャセイはB747で頑張っている。客室乗務員が書類を配っているので、外国人向けだろうと思っていると、”Japanese?”と言われ税関の申告書を渡される。”We have nothing to declare.”と断ろうとすると、”Very new procedure”とのことで申告の有無に関わらず書類を提出する決まりになった由。日本も外国並みになってきたということか。書類を書くと、ほどなく眠りにつく。機内食を食べるときだけ眼を醒ます。果たして、香港で積んだと思しきパンは美味しかった。その後、着陸のベルトサインが消えるまで眠り続ける。成田空港に無事到着し、税関も無事突破。東京駅からタクシーを拾うことにして、快速エアポート成田で帰京。割と涼しいので安心する。1週間家を空けただけなのに、随分時間が経った気がする。荷物を整理してから、近所のファミレスで夕食。隣の席に、凄い早口のフランス語でまくし立て続ける黒人男性と、パートナーと思しき日本人女性が食事をしていて、東京にいる気がしない。あっという間だったが、充実した旅行が終わる。

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イギリス旅行記(7) Going Underground

朝7時に起きて、ホテルの貧相な食事を避け駅前のレストランに行く。美味。近所のマークスアンドスペンサーで買い物してからホテルをチェックアウト。地下鉄でそのまま空港へ。およそ利便性という言葉からは程遠いターミナル。荷物が重くなっているのでエクセス・チャージを取られまいかと心配していたが、見るからに中華系の顔をした職員がキビキビとチェックインをしてくれ、聞き取り易い英語で香港でのトランジット手順を教えてくれる。トランク2つで55キロくらいあったが何も言われずにパスして胸をなでおろす。こんなことでハラハラしないように、会社で出張しまくってワン・ワールドの上級会員にもなっておきたいなぁ、などと邪まなことを思う。出国時、手荷物は一人一つまでと言われ、ショルダーバッグのほかにカメラバッグを持っていた僕は、妻のボストンバッグにショルダーをしまうことで許される。これでは二つと変わらないような気もするが、とにかく「一人一つ」という体裁の方が大事らしい。エックス線検査のほかに、全員が靴を脱がされるゲートまであって驚くが、リアルでテロに遭っているこの国では当たり前の対応なのだろう。搭乗まで時間があるので、免税店を見て回り、パブで一服する。妻はステラ・アルトワ。僕は機内でアルコールが回るのを恐れてコーラにしておく。複雑怪奇なゲートを抜けてCX252便に搭乗。機内食のパンがあまり美味しくない。往路は美味しかったので、恐らくは調達元、即ちイギリス人のつくるパンが不味いのだろう。「カナダはフランス人がパンづくりを教えたから美味しいけどアメリカはイギリス人がパンづくりを教えたから不味い」というジョークを聞いたことがあるが、さもありなんと思う。耳栓をして眠るが、あまり寝られずに眼を醒ましてしまう。香港空港には定刻に到着。

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イギリス旅行記(6) City Life

朝から好天。ホテルで朝食後、キングス・クロス駅に向かう。ハリー・ポッターに登場するプラットホームの記念碑があると聞いたのだが、なかなか見つからない。隣のセント・パンクラス駅と勘違いしたかと思って歩いてみるが、こちらはユーロスター乗り入れを控えての大工事中でますます混乱する。結局、キングス・クロスで9と3/4番線のモニュメントを発見。地下鉄でコヴェント・ガーデンに行き、“The Tea House”で紅茶を買い込む。小腹が空いたという妻のために、ピカディリー・サーカスに向かう途中のテスコでドーナツを買う。日本では大行列が出来る「クリスピー・クリーム」だが、ここではスーパーの一角で気軽に買える。ハムリーズでおもちゃを見て、オックスフォード・サーカス近くのパブで昼食。もうクルマを運転しないので、僕もギネスの黒を注文する。美味しい。3日連続してフィッシュアンドチップスを食べる。毎日でも飽きない。地下鉄に乗って、ウェストミンスター寺院を見学。これまで何度も近くに来ていながら中を見たことがなかった。ゆっくり時間を掛けて眺めてからスローン・スクエアに出て、パートリッジで買い物をして、ナイツブリッジまで歩く。ハロッズであれこれ買い物をしてからホテルに戻って荷物を置き、当地在住の友人に会うべくピカディリーへ。中華街の「東海」で夕食。昔話や、こちらでの生活の話を聞く。お互いにサラリーマンになったんだなぁと思う。友人にご馳走になり、ホテルに戻る。

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イギリス旅行記(5) Early Morning Rain

眼が醒めると雨。残念だが仕方がない。ダイニングルームでゆったり朝食。不味い筈が無い。非常に去りがたいがまた来ようと思いながらクルマを走らせる。天気は悪いが、周囲の景色は素晴らしい。雨が降りしきる中、昼前にストラトフォード・アボン・エイボンに到着。街中のぬいぐるみ博物館を見学し、街中を歩いて回る。その後、英国のベニスと言われるボートン・オン・ザ・ウォーターに向かう。昨日に続き、フィッシュアンドチップスを食べる。美味しい。食事が終わる頃には雨が上がる。次に、最も古風な町並みを残していると言われるバイブリーに向かう。地図にない細い道を通ると予定よりずっと早く着く。すっかり晴れ上がり気分は良いが、見るべきものは余り多くないので、ストウ・オン・ザ・ウォルズに舞い戻って喫茶店で一服する。オックスフォードに戻ってクルマを返し、列車でロンドンに戻る。往路と違い、鈍行列車なので時間がかかるが、20時過ぎにはパディントンに到着。あまりお腹が減っていないので、ホテル近くのマークスアンドスペンサーでサンドウィッチとサラダを買ってホテルで食べる。帰国を前に妻が荷物の整理を始める。

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イギリス旅行記(4) Thames as Highway

朝7時過ぎに起きる。ホテルで朝食を取ってからパディントン駅に向かう。急行列車の発車時刻が迫っていたので、急いで切符を買って飛び乗る。混んでいるのでデッキの補助椅子に腰かける。1時間余でオックスフォードに到着。レンタカーの事務所に向かうと、今度はルノー・クリオ(日本名ルーテシア)が用意されている。街を散策したかったので、暫く停めさせてもらうことにして、歩いて中心部に向かう。アーケード街でクッキーをかじり、土産物を皇太子殿下が学ばれていたマートン・カレッジを外から見学。ガイドブックに載っていた“Turf Tavern”というパブで取りたかったのだが、どうしても見つからず難儀するが、暫く歩いてようやく発見する。これから運転する僕は酒を控えるが、妻はビールを飲み、2人でパイとフィッシュアンドチップスを食べる。どちらも大きくて美味しい。すっかり満足してからオックスフォードを後にして、ブレナム宮殿を見学。予定より時間が押してしまったので、予定を変え立ち寄る街を1つパスして宿泊地スノースヒルに向かうことにする。その代わり、このウッドストックの街で少しのんびりすることにして、切手やカードを買ったり、喫茶店でクリームティ即ちスコーンと紅茶を楽しむ。スノースヒルのB&Bまでの道で再び迷ってしまうが、何とか陽の暮れる直前に到着。マダムが愛想良く迎えてくれる。ロンドンのボロホテルとは比較にならないキレイな部屋に案内される。夕食は供さないとのことなので、クルマで一番近くの村のパブに向かう。勿論街灯などないので、真っ暗な道をゆっくり走ってゆく。雨が振り出してくる。ようやく見つけたパブは、地元の人々の溜まり場になっているらしく、突然現れた日本人夫妻に物珍しげな視線を浴びせる。ラザニアとサラダを頼み、妻はサイダー即ち果実酒シードルをあおり、お代わりにビールを飲む。僕はもともと呑まないので何とも思わないが、酒呑みの人がクルマで旅行をすると怨めしい思いをすることもあるのだろうなと思う。宿に戻り、誰もいないダイニングルームを独占して手紙を書く。

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イギリス旅行記(3) Over Drive

朝7時過ぎに起きる。朝食を頂き、学校に行く子供たちや働きに出てしまう奥さんともお別れ。暫くお宅に留まって今日の予定を考えた後、ここから程近いウェスターハムに赴く。小さな町だが、趣きがあって散策していて飽きない。前夜奥さんに薦められていた喫茶店で昼食。牛肉の煮込みパイとツナサンド、ミルクティー。何れも美味しい。クルマに戻ると、パーキングチケットの時間をオーバーしたかどで違反切符が貼られている。高い授業料になったが仕方がない。高速道路でハンプトン・コート宮殿に向かう。テムズ川のほとりの古いお城を眺め、庭園内の喫茶コーナーで紅茶とキャロットケーキを楽しむ。ゆっくりした時間を過ごしてからロンドンに向かう。市内に向かうにつれて道も複雑になってくるが、なんとか宿の近くにまで到達。アールズ・コートより内側に入るとコンジェスチョン・チャージ、即ち8ポンドの渋滞税がかかるので、これを避けてホテル前に到着。荷物をおろして、チェックインをしてからクルマを返す。地下鉄でピカディリーに向かい、中華街の外れにあるインドネシア料理屋“Nusa Dua”で夕食。

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イギリス旅行記(2) Enchainted Places

暫く眠っていると着陸3時間前。ちまきと焼そばの朝食。ヒースロー空港には定刻よりやや早めに到着。が、入国審査が物凄い行列になっており、1時間以上も並ぶ羽目に。ようやく入国を果たし、ATMでポンドをおろしてから地下鉄で市内へ。アールズ・コート駅近くのホテルに向かい、今日は泊まらないが明日の夕方来る旨を告げる。トランクをひとつ預けてから、レンタカーのオフィスまで歩いてゆく。イギリス人にしては愛想の良い店員から、フィアット・プントをあてがわれる。なかなかかわいい。英国をクルマで走るのは初めてだし、ロンドンの市街地をマニュアル・ミッション車で走るのも落ち着かないが、左側通行なので気は楽。ドライブルートを日本からネットで調べていたのだが、たちまちに見失って迷ってしまう。何とか高速道路への順路を見つけてひたすら飛ばす。予定よりやや遅れて、クマのプーさんの舞台ハートフィールド村に到着。

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