Category: Diary

ジンジャエール

朝から麹町の取引先に赴き会議。ディスカッションは全部英語なので半ば分かるような分からないような内容だが、チンプンカンプンになるほどでもない。14時過ぎに帰社。相変わらず強い陽射しだが、数日前に比べると湿気は減っているような気がする。夕方、17時過ぎからフロアの会議室のあたりが騒がしくなってくる。見ると、女性ばかりがゾロゾロ集まってきている。どうやら何かの展示即売会があるらしい。どんどん人が集まってきて駄弁りが始まり、うるさくて気が散って仕方がないので廊下に赴き「仕事中なんで少し静かにしてもらえませんか?」と、腹から声を出して注意を促すと、潮が引くように静まり返る。席に戻って仕事を再開しようとすると、上長以下課の全員から妙な視線を浴び、女性社員からは「水野さん、カッコいい」などと言われる。18時過ぎに会社を出て客を迎えに紀尾井町のホテルへ。大手町でディナー。個室があるというので予約したのだが、個室で鉄板焼というのはどういうことなのかと思っていたら、定員8名の小部屋に鉄板があり、そこに料理人が現れて給仕してくれる。魚介類やら肉やらあれこれ出てきて美味しい。客の一人はモルモン教徒なので何を飲むのかと思っていたら注文したのはジンジャエール。カフェインがなければ炭酸飲料でも良いらしい。皇居前のホテルが経営しているだけあって料理人も給仕も実によく働く。22時過ぎに客をホテルまで送り届けてから帰宅。

紀尾井町再び

朝から暑い。赤坂見附に直行し、紀尾井町のホテルに客を迎えに行く。自分が泊まっていなくても、朝のホテルの雰囲気というものは良い。広いホテルなので「待ち合わせはメインのロビーだよ」と念を押しておいたのだが相手はなかなか現れない。タワーのフロントと勘違いしているのではないかと思い何度も往復してみるが姿は見えない。そうこうしているうちに約束の時間は過ぎていよいよ焦り出すが、単なる相手の寝坊と分かり10分後に無事合流。タクシーで別の客先に送り届けてから会社に戻り粛々と仕事。あれよあれよという間に会社を出るのが遅くなる。23時前に帰宅。

猛暑

暑さで眼醒める。いつもより早めに家を出る。久しぶりの通勤ラッシュ、とはいえ夏休みシーズンのせいか多少は空いている。朝からいつも通りの仕事。溜まったメールと書類をかきわけているうちに時間が過ぎる。時差呆けの影響はあまりないが、20時間座り通しだった身体は正直で身体のふしぶしが痛み出す、午後、客の出迎えのため芝浦へ。タクシーの運転手が道を誤り難儀するが時間には間に合う。客と合流しホテルに送ろうとするも、またしてもタクシーの運転手が不慣れでこちらが道順を教えてやることに。何とか紀尾井町のホテルにたどり着き客と別れる、またタクシーに乗ってもよかったが、出身校の近くなので懐かしく、暑いのも構わず近所をふらふら歩いて半蔵門まで出て地下鉄で会社に帰る。21時過ぎに会社を出て自宅で夕食。

フランス旅行記・番外

フランス旅行記(10)

途中、何度か眠っているうちに軽食が出てくる。飲み物にだけ手をつけておく。定刻通り成田空港に到着。税関を抜け、重い荷物を引きずってリムジンバスのカウンターへ。葛西を回るバスは時刻がギリギリだったが何とか席を確保。時頃帰宅し、近所の中華料理屋で夕食。片道20時間のフライトは疲れたが、楽しい旅行だった。

フランス旅行記(9)

朝8時前に起床しホテルで朝食。日本でもお馴染みのバイキング形式。これまでずっとコンチネンタル・ブレックファストだったので久しぶりにスクランブルドエッグやソーセージを食べる。充分満足して部屋に戻り、いそいそと身支度。トランクが相当重くなっている。予定より30分近く遅れた9時半にホテルを後にする。荷物をトランクに積んだタクシーの運転手が「こいつぁ重いなぁ」とこぼしていた。休日の朝とあって道は空いており20分ほどでドゴール空港に到着。当てずっぽうにターミナルビルに入ってみると目の前がマレーシア航空のカウンター。しかし物凄い人でごった返している。以前はチェックインを済ませた搭乗券がないと免税手続が出来ず不便であったが、最近では航空券で良いらしく、妻にはチェックインの列に並んでもらい、僕は免税カウンターに急ぐ。幸い免税の行列は長くなく、税関職員はタブロイドを読みながら適当にハンコをついている。おかげで免税品のチェックを受けることもなくすんなり手続きが終わる。妻のところに戻るが、カウンターへの行列はいつまでたっても短くならない。整理する人間がいないうえに、このターミナルがこれだけの人出を想定して作られていないことが原因だろう。ようやく自分たちの順番が回ってきたが、トランクが20kgを超えていることは明白だったので、フランス語も英語も分からないふりをして押し通すことに決める。しかし、荷物の重さについては何も言われず、旧姓が載っている妻のパスポートを見て、航空券と氏名が一致しないと言われたので、「ウィー・ハブ・マリッド・デアフォア・ハー・パスポート・イズ・アメンデッド」と思い切りカタカナ発音で説明して追記のページをめくってみせるとあっさり解決する。案ずるより生むが易し。まだ出していない絵葉書の切手を買おうと空港内の郵便局に行くと、休日のため窓口は閉まっているが、切手の自動販売機は動いている。そこで小銭を入れて買おうとするが投入口が歪んでいてコインが入らない。何発かパンチしてみるが変わらない。諦めようかと思っていたが、ニューススタンドでも切手を売っていたことをふと思い出し無事購入。チューブ型のエスカレータに乗って出国し、免税店を覗くが品揃えの貧弱さに驚く。搭乗まで時間があったので書いていない絵葉書を仕上げてしまう。が、出国後のゲートに郵便ポストがないことに気づき、売店のお兄ちゃんに事情を話すと快く発送を引き受けてくれた。安心して搭乗。行き道と同じジャンボ機だが、今回は満席。アジア系観光客に加え、フランス人自身のバカンスとも重なるのだろう。妻の隣席に座っているアジア人の女性が大爆音で音楽を聞いており僕のもとまで音がハッキリ聞こえてくる。かと思うと突然座席で柔軟体操を始めてそ知らぬ顔で妻に肘鉄を食らわしてくる。困った人だ。我が国の若者もこの女性を笑えないレベルに成り下がっているのも事実だが。途中、何度か眠る。

フランス旅行記(8)

朝8時起床。プランタンデパートの近所に移動しその名もプランタニエという名のカフェで軽い朝食。開店間もないプランタンに入り、頼まれていた買い物を済ませる。2年ぶりのこのデパートは大きく改装されており、以前のような陳腐な印象が一掃されたが、まるで日本のデパートのようになってしまったとも言える。買い物袋を日本人の店員に預け一旦オペラ座まで動く。オペラ座の屋上で買っている蜜蜂から取れたハチミツが売っているという話を聞いていたので売店に行くと確かにあったが、ごく小さなビンで11ユーロ(約1500円)もするので2本だけ買うことにする。プランタンの隣のギャルリー・ラファイエットに行きアニエス・ベーで買い物。免税手続をしようとするが日本人専用カウンターは混雑しているのでガラ空きの一般カウンターに向かう。店員に”Do you speak English?”と訊かれたので「わしはフランス語が話せますけぇの。あっちゃぁ混んどるけぇここに来ましたんじゃ。」とフランス語で説明すると笑顔で通される。手続はわけなく終わりプランタンに戻る。妻の冬物のコートを買い、先ほど買った品と併せて再び免税手続。今度は日本人の店員が親切に応対してくれる。とりあえず一旦ホテルに戻り買い物した品物を置く。デパートに長く居過ぎたため、午後の予定を一部カットすることにしてまずはパッシーへ。駅を下りて間もなく雨が降り出してくる。この界隈の学校に通っていた友達が通っていたという喫茶店で軽い昼食にする。店に入ると忽ち大雨になる。クロックムッシュを2人で分ける。雨が上がりかけたところで店を出てパッシー通りを散歩。惣菜屋で美味そうなポテトとベーコンの炒め物を妻が見つけ、すぐさま購入。小さなタッパーウェアに入れて売ってくれる。暫く歩いて通りのベンチで食べる。見た目通りの美味しさ。シテ島からノートルダム大聖堂を横目にサン・ルイ島へ。ここの有名なアイスクリーム屋の行列に並んでペロペロなめる。アラブ文化研究所まで歩いてここの喫茶店でミントティーを飲む。モロッコで飲んだとき程の感動はないが美味には違いない。レアールまで地下鉄に乗りfnacで本とCDを見る。これまで欲しいと思いつつ買っていなかったアヴリル・ラヴィーンのアルバムを2枚買う。次に立ち寄った洋服屋でバーゲンをしておりズボンやらシャツやら買い込む。この後、リヴォリ通りにあるTシャツ屋に行こうと思っていたのだが閉店したのか見失ったのか、どうしても見つからず、結局レアールに舞い戻って夕食にする。また雨が降り出す。昔から有名な「ピエ・ド・コション」に入ったが行列が出来ており暫く待たされる。実にキビキビ働くジェランに執拗に喫煙席を勧められるが断って禁煙席を待つ。ようやく案内されると、妻が食べたがっていたエスカルゴと、この道中一度もありつけなかったオニオングラタンスープを注文。名物で店名そのものの豚の足のグリルをシェアーすることにする。ゼラチン質の多い豚の足は美味。今日はサン・マルタン運河にも行きたかったのだが陽もくれてきて断念する。レアールの若者が多く集まる地区で、遅くまでやっているクレープ屋で粉砂糖をまぶしただけのクレープを買って食べる。そのままリヴォリ通りをコンコルド広場まで散歩。お土産等で増えた荷物を纏めるのに時間がかかり寝るのが遅くなる。

フランス旅行記(7)

朝8時前に起きて朝食を取る。昨日と同様に、焼きたてのパンと絞りたてのジュースが供される。たっぷり食べてからホテル内の庭園をのんびり散歩。チェックアウトを済ませて藤田嗣治の礼拝堂を見に行くが、14時まで開かないことが分かる。そこで予定を変更し、駅前の大きな並木道をぶらぶらし、その後市内を巡ることにする。アーケード街や大聖堂を見学してから昼食。屋外の席で、サラダと馬肉のハンバーグを食べる。フランスで馬肉を食べるのは初めてだが、少しも脂っこくない淡白な味わいがする。食後、またぶらぶらしてから礼拝堂を見学。僕は8年前に見に来ていたが妻は初めて。前回は雨に祟られたが今回は快晴。可愛らしい外観も、内部のフレスコ画も何度見ても素晴らしい。15時過ぎにランスを出発し、高速で一路パリに向かう。空いているのをいいことにガンガン飛ばしていく。予定ではパリの外環道路をぐるりと北側に回ってからホテルに着く予定だったのだが、勢いで下道に出てしまい心の準備のないまま戦場のようなパリ市内の車道を走ることに。これまでによく歩いてきた道を選べば地図が頭に浮かぶので、リヴォリ通りからマドレーヌ寺院に出て北西に針路を取る。近くに来てからホテルの場所が分からなくなりややまごついたが無事到着。市街の中心部からは外れているが、落ち着いたホテルで安心する。当初の予定では、今日中にデパートで買い物を済ませてしまおうと思っていたが、時間が押してきてしまったので明日に延期し、レンタカーを返してそのまま夕食に向かうことにする。マドレーヌ寺院の地下駐車場にある営業所に行き、手続きを終えるとオペラ座までテクテクと歩いていく。妻の友達とはオペラ前で待ち合わせ。無事合流し、モンパルナスのクーポールに行きディナー。めいめい好きなものを頼み、皆で分け合って食べる。生牡蠣、煮魚のマルセイユ風、羊のカレー煮、シュクルートとアルザスの白ワイン。ひょうきんなボーイがあれこれ給仕してくれる。食後、大盛りのパフェを食べて満足する。日付が変わる前に帰宿。

フランス旅行記(6)

朝8時過ぎに起床。昨晩のディナールームとは違う部屋で朝食。絞りたてのジュースと焼きたてのパンが出てくる。クロワッサンもパン・オ・ショコラもショソンも皆小ぶりで、少しずつ沢山食べられるように配慮されているのが見て取れる。どれも美味しい。カフェオレを飲みながらパンを食べつくし、すっかり満足して出発の準備に取り掛かる。チェックアウトする前に村をもう一度散歩することにする。通りはやはり閑散としている。昨日は閉まっていた村の教会が空いていたので見学する。絵葉書を出そうと思っていたのに、郵便局は昼休みに入ってしまい追い出されてしまう。途中で出すことにしよう。ちょうど昼頃になってようやく出発。まずは隣町のフォンテーヌブローに行き、お城を見る。それほど時間がないので外観と庭だけを見て、街中のスーパーで飲み物を調達する。郵便局が開いていたのでようやく絵葉書を発送。ついでに切手を買い貯めておく。高速に乗る途中のムランという町でギリシア風サンドイッチ、すなわちドネルケバブの店を見つけたので車を停めて買い出しに行く。突然現れた日本人に向こうも驚いている様子であったが陽気にサンドイッチをつくってくれる。ピタというよりはむしろナンと言うべき大きなパンに肉とフリットを山ほど入れてくれる。近所の公園に移動して2人で頬張る。1人前をシェアーしたのにお腹がいっぱいになる。ムランから高速に乗る道を間違ってしまい、多少まごつくが無事にランスへのルートを見つけて順調に飛ばす。ランスに着いたのは夕方5時を回っていた。細い道と一方通行の多い市内の小路からようやくホテルへの道のりを見つけ出してたどり着く。シャトーホテルという触れ込みだが見た目は城というよりもお屋敷といった趣き。恐らくは地元の領主の邸宅か別荘だったのだろう。部屋数も決して多くはないが、内部は完全に近代化されており設備も申し分ない。着る服がなくなってきたのでコインランドリーを探すため街中に出る。ホテルの駐車場に向かうと回りのクルマはベンツやBMWばかりで気後れしてしまう。何とも場違いな客だなぁなどと思いつつ、市外の中心部を少し外れた住宅街に向かうと、コインランドリーをたちまち発見する。まずジュトンを買ってから動かす昔ながらの方式だ。昔ながらといっても勿論全自動なのでこの間にスーパーに向かうことにする。街道沿いにカルフールの看板があったのでそれに従うと、数分で巨大なストアが眼に入ってくる。土産用の食べ物などを買ってコインランドリーに舞い戻り、洗濯の終わった衣類を乾燥機にかける。すっかり乾かした後で、街のメインストリートの地下駐車場に車を停めて夕食を取る。妻は雉肉、僕はまたムールを食べる。鍋にこれでもかというくらいのムール貝が埋まっており、満腹になる。デザートに2人でパフェを注文しゆったり過ごしてから宿に戻る。夜、パリに住む妻の友達とようやく連絡が取れ、明日の夕食を共にすることにする。

フランス旅行記(5)

朝8時起床。革命記念日なのでテレビではシャンゼリゼ大通りでの記念式典を中継している。今回は英国の近衛兵も初参加だそうな。チェックアウト前に車を出して、旧市場前のカフェで朝食。市場跡の、ジャンヌ=ダルクがまさに処刑された場所に建つその名もジャンヌ=ダルク教会を見学。1970年代の建立なので古びた町並みのなかで異彩を放つが、内部のステンドグラスは中世のものを他の教会から移したそうで美しい。スーパーでバターを買い、いまも小さく残る屋外市場でフランボワーズを仕入れてからホテルに戻り、荷物を積み込んで出発する。予定よりも出発がやや遅れ、12時過ぎとなる。高速に乗り、至って快調に飛ばしていく。途中、サービスエリアで給油したついでに昨日買ったバゲットを食べ、果物を頬張る。パリ市内に入ると、今日泊まるバルビゾンへ向かう道に迷ってしまう。ウロウロと走っているうちに喉が渇いたのでスーパーを探すが祝日なのでシャッターが下りている。ようやく小さな八百屋を見つけ出しコーラを買う。小休止しつつ、地図を眺めて何とかルートを見つけ出し再び高速に乗る。何度かのジャンクションを経てようやく「バルビゾン」の標識が見えてくる。パリの中心部から1時間も走っていないのに回りはすっかり長閑な田園風景になっている。高速を降り、そろそろと走っていくとバルビゾンに到着。村は観光の車と人でごった返している。標識を頼りにホテルに到着。かつて昭和帝がお食事にお見えになったこともある由緒正しいレストラン・ホテルなのだが、得体の知れない若者夫婦を手厚く迎え入れてくれる。荷物を置いてから村の中を散歩し、アイスクリームをなめる。人が多い。もっと静かな村かと思っていたのだが、恐らくはパリから日帰りで観光に来ている人が多いのだろう。東京から川越の古い軒並みを見に来るのと同じ塩梅だ。ホテルに戻り、浴衣に着替えてディナーに向かう。見慣れぬ和服姿にボーイも周りの客もジロジロと好奇の視線を浴びせる。シャンパンを開け、ジャガイモのポタージュの冷製、フォアグラのテリーヌ、羊のロースト、鶏のロースト。理屈抜きで美味しい。食後ににチーズを勧められて断ると「確かに日本のお客様はチーズをあまり好まれません。でもこのチーズを一度お試しください」と、地元のフレッシュチーズをサーブされる。フォンテーヌブローという名のそのチーズはホイップクリームのような外見と舌触りで、フワフワで臭みなどまったくない。グラニュー糖をかけて食べるとまさに生クリームとしか思えない。給仕の粋な計らいに感謝し、デザートに桃を焙ったものを食べる。