ジャック=ビルヌーブによるシューマッハ批判が止まりません。
Article from: Canoë
モナコグランプリで予選15位に終わったジャック=ビルヌーブだが、
予選での問題、すなわち、ポールポジションを獲得しながら協議委員会で審議対象となり、議論の的となっているミハエル・シューマッハについて直ちにコメントを発表している。
「ミハエル=シューマッハがしたことは受け入れがたい、許しがたい行動だよ」
ビルヌーブはハッキリと述べた。
「ワールド・チャンピオンになるような人間が、そのようなミスを起こすなんてあり得ないよ。フォーミュラ・フォードじゃないんだから、わざとマシンを停めてアロンソにポールを奪われないようにしたことは容易に想像できるよ。」このケベック人ドライバーは
「井出だってシーズン当初にこんなミスはしなかっただろ?」
と付け加え、スーパー・アグリチームからデビューした日本の井出有治を引き合いに出してみせた。
「それでも、ミハエルは実際にこんなミスを犯している、それだけでもう驚きだけど、彼はライバルを倒すためには最高の位置にいるにも関わらず、あんなことをやったんだ。もうハッキリ言って現実を乖離しているね。」ビルヌーブはなおも続けて、
「多分彼はもっともらしい説明をするのだろう。ライバルたちのコメントには耳を傾けず、協議委員会の最終結論にも知らぬ存ぜぬでね。僕に言えることは、見え透いてるってことさ!」
と述べた。(抄訳 水野)
7度のタイトルを取り「皇帝」の異名を取るシューマッハですが、1997年の最終戦、タイトルの懸かったヨーロッパGPで、追い抜きにかかったビルヌーブに車体をわざとぶつけてリタイアに追い込もうとした「前科」があります(結果、ミハエルだけがリタイアに追い込まれ、ビルヌーブはマシンに損傷を受けつつゴールしてタイトルを獲得)。そのビルヌーブだからこその正論と言えそうです。
また、別の記事ではこんなコメントがあります。
Article from: F1GPNews
1997年に彼がワールドチャンピオンを獲得した時、シューマッハに故意に接触させられたジャック・ビルヌーブは、今回の一件について次のようにコメントしている。
「今回の一件は、彼が故意であったと願っているよ。もしも彼のミスならば、彼のスーパーライセンスを取り消ししてもらいたいね。あんなミスをするのであれば、レーシング・マシンをドライビングすべきじゃないんだ。あんなミスをどうやったら出来るのだろうか?あんな事するなんて、想像も出来ないよ。あんな事をして、世間の人間がどう思うのかがわからないんだね、彼は。僕には理解出来ないよ。本当に馬鹿げている。彼は7度もワールドチャンピオンになっており、彼はあの時点でポール・ポジションにいたんだ。なんであんな事をするんだい?彼の評判を落とすだけじゃないか?今回の事は本当に恥ずかしいよ。ワールドチャンピオンのためにも、そして井出のためにもね。」
井出有治からスーパーライセンスを奪ったんだからミハエルからも奪え、という過激な発言ですが、井出が遅かった理由は英語が話せずスタッフとのコミュニケーションが取れずマシンセットアップもままならなかったという一面もあり、かつて15年前に全日本F3に参戦した際、所属したトムス・チームのスタッフが英語を解さなかったためセットアップに苦労した経験をもつビルヌーブが、その自らの体験から井出にある種の同情を寄せている、と思うのは行き過ぎた邪推でしょうか……
双葉社 (1997/03)
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