名古屋の郊外で高校教師をしている主人公。友達以上恋人未満の女性と呑みにいくところから話は始まるのだが…
学校のセンセイ (ポプラ文庫)
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飛鳥井 千砂
ポプラ社 (2010-10-06)
売り上げランキング: 180,752
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自他共に認める面倒くさがり屋だが、塾講師の経験から経験から生徒との付き合い方も下手ではない。狭い世界での日常にふと闖入する、派手な服装をした美女。そして…
面倒くせぇ! 大声で叫んでしまいたい。どいつもこいつも、次から次へといい加減にしろ。
って、変わったことか? それとも人がよく言う、「いろいろあって」の範囲か? 「いろいろあって」の範囲なら、どこの職場にもある。つまり誰にでもある。それをグチるのもみっともない。
「自分が思うこと主張したり、他人に意見したり、だっけ? そういう欲求あるんじゃないの? さっき自分でそう言ってたじゃない。もっと堂々とすればいいのに」
忘れたい、なかったことにしたい、記憶。でもならないんだよな、起こってしまったことは、なかったことに。
「そう言われるとわかんないけど、でも先生でも、夜のうちからゴミ出ししちゃったり、朝帰りしたりするんだ。当たり前か」当たり前だ、それくらいさせてくれ。
完全な男性視点で描かれるリアルな生活。学校の先生もただの人という、言われてみれば当たり前のストーリーなのに、読者を一気に引き込んで離さない。筆者一流の描写が冴える佳作。