最近、ある人にフランス語を教えることになりかけて、その後、話はポシャってしまったんだけど、その準備をしてきた中で色々と思うことがあった。
 
僕は小学生の頃から、学校のカリキュラムとしてフランス語の授業があって、中学・高校は毎日(週6コマ)、高3になると受験シフトで週11個コマに達した(受験もフランス語だった)。
若い時期に、理屈抜きで叩きこまれてきたから覚えてしまっていることも多いのだろうと思うし、キチンと発音しないと教師に殴られたりしたから、今でも英語やイタリア語を話す時に、脊髄反射的にフランス語式の発音をしてしまうことが多い。
 
そんな基礎があって大学でもフランス語を専攻してきて、会社勤めしてからも仕事で活用するチャンスがあった。いってみれば人生の大半をフランス語漬けだったわけだけど、そんなイカれた経歴の人間が、全くの初心者にまともに教えることなんてできるんだろうか。学生の頃、母校の後輩にあたる中高生の家庭教師をした経験はあるけど、大のオトナにインプットするには、自分の知識なり経験を、よほど旨くアウトプットしないと、単なる独りよがりなひけらかしになってしまうのではなかろうか。
 
僕なりの結論は以下の通り:
1. 学校の先生が教える方法だけでは無理。
2. でも理屈は理屈として身につける必要あり。
3. 理屈の対局にあるフィーリングも同じくらい大事。
4. ヒントの引き出しを沢山持つ。

いわゆる基礎演習は当然必要としても、プラクティカルな言葉につなげてゆくスパイスが必要になるんじゃないかと思うわけです。このスパイスにフォーカスを当てて、少し書き進めてゆきたい。

「フランス語の先生が教えないフランス語」という題名は、何も本職の先生方を莫迦にしているのではなく、僕が今まで習ってきた方法とは少し違うよという意味なので、その点はどうかご了承願いたいし、誤認の指摘やご意見ご感想はご遠慮なくお寄せ頂きたいと思う。