眠たい中、羽田空港に向かう。昨日終わらなかった仕事があるのでバスの中で必死に書類をつくる。忙しいというよりも、一日の限られた時間で効率的に物事を捉え考えて、それを行動に移すというプロセスを上手く実践できないだけなのだと自覚している。ともあれ、お金で時間は買えない。時間が足りないことだけはどうしようもないので、やるべきことをやる。それにしても、毎日自宅で夕食を食べられるくらい早く帰宅していたり、平日の夜に毎晩のように飲み歩いたり出来るほど時間が余っている人たちに限って「忙しい」をしきりに連発するのはどういうことなんだろうと思う。ふざけて「死ぬー!」とか叫んでいる人間が、死そのものとは程遠いのところにいるのと同じということなのか。ともあれ、各人の基準というものがあるだろうから深く詮索しても結論など出る筈もない。いつものようにエアポートラウンジに行き、バスで仕上げた書類をメールで送る。全日空247便はB747-400で、久しぶりの2階席。コックピットのドアに電子ロックキーが備わっており、またドア自体も金属の補強材が貼られて簡単に開かないようになっている。ハイジャック犯に機長が飛行中に刺されるという前代未聞の事件がこのダッシュ400型で起きていることを忘れるわけにいかない。だが、減圧が起きた場合を考慮して、コックピットのドアは簡単に開くように設計されていると聞いたこともある。果たしてどちらを優先すべきなのか。強い向かい風とのことで、到着時刻が10分ほど遅れる。空港から市営地下鉄で天神に向かう。いつもタクシーで客先に直行するので地下鉄は初めてだが確かに便利。地元のラーメンでも食べようかと思ったが、午後の会議で話す内容を考えたり、メモを取っておく必要があるのでハンバーガー屋にする。渡辺通まで歩いて、久しぶりにお客さんを訪問。新しい担当の方と名刺交換。一人で来た若造を温かく迎えていただき安心する。観光でも仕事でも、九州に来て嫌な思いを一度もしたことがないのは、こうした人間の温かみと無縁ではあるまい。2時間弱ミーティングをして、再び天神まで歩く。洒落た店が次々と出来ている。空港まで地下鉄に乗り、土産物を整えてからANA260便に搭乗。B777-200はスターアライアンスカラーが施されているが、中にいる限り違いは分からない。帰りは追い風の筈だが、気流が乱れているらしく、途中客室乗務員がエプロン姿のまま着席する。よほど揺れるのかと覚悟していたが、案外小さな揺れで収まる。羽田空港に5分遅れで到着し、リムジンバスで19時過ぎに葛西に戻る。妻に出迎えられ、スシローで鮨を食べて帰宅。