何年も前、友達が先輩の結婚式に行った。奥様との馴れ初めはネット上の出会い系サイトと聞いたけど、披露宴で知り合った先輩の友達曰く「奴は結婚前に女性関係の清算が大変だったらしい」。二次会で大学の友達に会ったら「先輩は女性関係の清算に苦労したみたい」と判で押したようなことを言う。学生の頃の先輩は超非モテ男子だったのに、突然モテ始めたのか? でも出会い系? 妙な話だ。
 
皆が判で押したようなことを言うのは、判で押してる人間がいるからで、友人達が遍く知ってるのは先輩自身が広めてるからだろう。でも、清算が大変なんて自分から喧伝するのは不思議な話。不思議と言えば清算が大変な程女性と交際してたのに、なぜ奥さんは出会い系? モテる人がネット上で嫁さんを探すものなのか?全く理解できない。
 
結論を急げば、「非モテが出会い系でやっと嫁さん見つけただけ。モテ話は捏造」ってことなんだろう。
 
人の心理として「内緒だけど」と耳打ちされれば何となく他言してしまうものではないか。まして先輩はゴールインしたんだから悪い話ではない。
「先輩、学生時代モテなかったよねー」
「違うよ、モテモテで清算に大変だったのよ、あ、これ内緒よ」
内緒話は次々知れ渡り、秘密めいているだけに真実味が加わり、遂には既成事実として周囲が認識する…
 
誰もが自分がマインド・コントロールされたとは思いたくないから、誘導された情報に固執して、自分の思い込みを一層深めてしまうことがある。周囲の思惑や誘導に流されない為には、自身の価値基準(プリンシプル)を持って物事を見極めねばと感じずにはいられない。
 
しかし、先輩の話ってモテ男を演じるにしてもかなり無理があると思う。清算に苦労したなんて異性をバカにしてると思うし、それが格好良いと思ってるならその程度の人間って気がするんだけど。誰にも悟られずキレイに後腐れなく別れるのが格好良い男じゃないか?
 
信じるか信じないかは貴方次第。
 

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