朝7時起床。ダイニング・フロアで朝食。広々していてのんびりできる。バゲット、パン・オ・ショコラ、ヨーグルト、フルーツ、カフェオレを楽しむ。9時前にホテルを一度出て、あたりを散歩する。ルイーズ通りも久し振り。中央駅からヌーヴ通りを急ぎ足で歩き、途中ワッフルをかじり、昨日も立ち寄ったCity 2を見る。その後、中央駅近くのケバブ屋で「ピタ・マイス」の昼食にする。その名の通りピタ・ポケットにケバブ肉とコーンが入ったものなのだが、留学時代によく食べていたのだ。懐かしの味を堪能してからホテルに戻り、荷物をまとめてチェック・アウト。中央駅から国鉄で南駅へ。珍しく検札が来たので南駅からパリまでの切符を見せると一瞬顔をしかめられるが「ここはゾーン・ブリュッセルだろ?」と訊くと「その通り」との回答で無罪放免。南駅で少しだけ時間が空いたので、あちこち歩き回る。生涯であと何回、この地を気ままに歩くことが出来るかどうか… パリ行きのTGVタリス号はホームの前端に止まっており小走りで車両に向かう。切符は2等を買ったのだが、なぜか1等車が割り振られており、ゆったりしたシートに腰を下ろす。1等車の旅客にだけ無料で提供されている車内のWi-Fiも使えた。この席が与えられた経緯はよく分からないが、ともかくも楽しむ。14時にパリに到着。まずはホテルに向かうことにして、地下鉄を乗り継ぐ。中心部からはやや離れるが、地下鉄の駅から至近なことと、一応Ibisのチェーンだから不潔なことはないだろうという判断で予約した。果たして、部屋の中は小奇麗で安心する。荷物をおろしてから、まずはレアールへ。近づくと、何やら工事の音がする。見てみると、フォロム・デ・ザール全体が大改修工事を行っており、地下のショッピング・モールも大半が閉店しているという。1970年代に中央市場を解体して以来の大変革ということで、レアールの歴史をたどる写真展が構内で催されている。と、そこに池波正太郎が行きつけにしていたバー”BOF”のジャン老人の写真がありビックリする。fnacは営業していたので、中を覗く。村上春樹が大きく扱われていて驚く。アイザックソン・著”Steve Jobs”の仏語版ペーパーバックを購入。地上に出て、アニエス・ベーでお気に入りのピンストライプのシャツを買う。どうやらセール品だったらしく、会計の段になって半額と知りビックリする。近所の子供服ショップで息子のTシャツも買っておく。クレープをかじり、ノートルダム寺院に向かう。間近で眺めるのは何年ぶりだろうか。セーヌ川沿いを歩いて、リヴォリ通りを歩いてルーヴル美術館の中庭を見る。西日が眩しい。チュイルリー公園は夏恒例の移動遊園地がやってきていて、観覧車や絶叫マシンの類いまで揃っている。むかし祖母と泊まったことのあるインターコンチネンタルホテルがウェスティンに変わっていて驚く。前職で出張中に、ここのバーで上司にシャンパンをご馳走になったことを思い出す。コンコルド広場〜シャンゼリゼ通りを歩く。喉が渇いたので、水を買おうとスーパーマーケットのモノプリに入ろうとすると、昔は地下にあった食料品は「別棟で扱っています」との掲示。が、入ってみると値段が異常に高い。どうやら観光客向けの価格設定になっているようだ。一計を案じ、もとの地下売場に行ってみると、そこでも食品がちゃんと売られていて、1リットルの水がわずか0.6ユーロ。ここは地元の人だけが知っていればいい場所なのだろう。会計の時「メンバーズカードはお持ちですか?」と訊かれたので「通りすがりの旅の者じゃけえ」と答えると、フランス語でそんなことを口にする観光客が珍しいのか、何とも言えない微笑みを返される。夕暮れの凱旋門を見てから、地下鉄でホテルに戻る。近くで夕食を、と思っていたのだが、既に21時半になっておりレストランも閉まってしまっていたので、マクドナルドでハンバーガーを買って部屋で食べる。