結婚願望の強いアラサーOLの主人公。今でも仲良くしている、会社の元同僚だった女友達が突然結婚することになり…

アシンメトリー (角川文庫)
飛鳥井 千砂
角川書店(角川グループパブリッシング) (2011-10-25)
売り上げランキング: 179435

 
結婚パーティのドレスを買いに行くと、店員にスカートの裾が非対称<アシンメトリー>になっている、と指摘されるところから、本書のキーワードが決まってゆくのだが、主人公自身や、彼女を取り巻く人間関係の態様もまた、シンメトリックにはなり得ない。
  

だいたい「普通」という言葉を使いたがるひとは、どういう意味で言っているのだろう。大多数? 平均? 標準? 正常? 大多数、平均、標準は譲ってもいい。確かに私が好むもの、考えることは、昔から大多数や平均や標準じゃないことが多かった。でも、大多数じゃないからと言って、何故責められたり笑われたりされなければいけないのか。

この著者の作品を読むのは2作目だが、前回も今回も、書中で何度かドキリとさせられることがあり、また、男性には分からぬ女性のこころの一端を垣間見せられてハッとさせられてしまう。同性の人が読んだらどういう感想を持つのかな、と考えてしまった一冊。