朝6時に起きる。朝日が眩しい。せっせと身支度を整える。妻が朝食をつくってくれる。7時ちょうどに家を出て、妻に見送られてタクシーで東京駅へ。日曜の朝だけあってまだ静か。7時半発の成田エクスプレスで空港へ。パソコンをひろげ、メールを書いているうちに成田に近づく。空港第2ビル駅で下車し、チェック・インに向かう。


日航のエコノミークラスのカウンターは文字通り長蛇の列ができているが、今回はプレミアム・エコノミーなので、ガラ空きの専用カウンターでトランクを預ける。グランドスタッフの女性が実に愛想良く、そして手際良く搭乗券を発券してくれる。あれだけの短時間でよく全ての情報を読み取って作業が出来るものだといつも思う。いつもといえば、トランクを捌く人がベルトの上でムーン・ウォークしているのも変わらない。いわゆるEチケットが普及して以来、紙の束の航空券は姿を消しつつあるが、あの冊子がないとどことなく不安な気持ちにもなる。時間に余裕を持ってきたので、出国前に売店を冷やかし、本を買う。エスカレータですれ違いざま、アジア地域担当の先輩に声を掛けられて吃驚する。そういえば、今日は自分が随行する役員以外に、経営幹部ふた組が海外出張に発つ日だった。先輩はインドに向かうところ。出国ゲートも長蛇の列になっているが、流れ自体は悪くない。以前、日航と全日空が同じターミナルだった時代だったら眼も当てられない惨状だっただろう。セキュリティ・ゲートのそばで部長にバッタリ出会う。部長は社長の随行でシンガポールだったっけ。随分早いなと言われながら、無事ゲートを抜けて出国する。時間があるので、免税店をゆっくり覗く。家族への土産物を整えてから、さくらラウンジに向かう。同行する営業部の方がファーストクラス・ラウンジへの入場権を持っているので、一緒のタイミングで入らせて貰う。取締役と他の随行の方は既にラウンジにおられたので挨拶すると、「見計らってきたのか?」と言われる。いわく、ついさっきまで、シンガポールに向かう社長ご一行がいたのだといい、社長が離れた途端にやって来たから不審に思われたそうな。やれやれ。ラウンジで最後のメールチェックをして、コーヒーを飲んでからゲートに向かう。日航401便はB777-300ER。ジャンボ機に乗る機会が本当に少なくなった。プレミアム・エコノミーは、昨年全日空で乗ったことがあるけれど日航は初。見た目のシート間隔は全日空より狭い気がするが、足元のスペースは十分すぎるほどあり悪くない。離陸前から眠ってしまい、気づくとミールサービスが始まっている。和食を選択。食事自体は普通のエコノミーと大差ないようだが、アイスクリームが出てくるのは全日空と同じ。お互いに研究してるのだろうなと思う。食後、パソコンをひろげてやり残した仕事を片付ける。コンセントがついているのでバッテリーを心配する必要もない。耳栓をして、誰にも邪魔をされないので、普段よりむしろ捗る。フライトはずっと安定していたが、着陸直前に雲がかかり大きく揺れる。ヒースロー空港には定刻より30分ほど早目に到着。入国審査の長蛇の列を抜け、何とか4人でタクシーに収まり市内のホテルへ。アールズ・コートのあたりで突然雪が降り始める。グリーン・パークそばのホテルにチェック・インして、旅装を解く。現地の駐在員に無事到着した旨電話で報告し、ホテルの近所にある日本料理店「菊」で軽く夕食。僕自身は、海外で和食にありつけなくても全然平気なのだが、イギリス名物の不味い料理に出くわすよりはずっとよい。ホテルに戻った後、当地駐在の先輩に誘われて、おうちにお邪魔する。奥さまとは初対面。流石に眠たいし、日曜の夜ということもありのであまり長居は出来なかったが、楽しく過ごさせて頂く。日付が変わる頃に入浴して眠る。長い一日が終わる。

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三澤 春彦
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