何時間寝ただろうか。「お客様、朝食です」の声に起こされる。暫く食べられなさそうなので、和食を選択。何皿も出てきて美味しいが、トランジット中にも、次のフライトでも食べることになるのは分かっているのでほどほどにしておく。ドバイ国際空港には定刻朝4:25に到着。トランジットエリアに出るため金属探知器をくぐると僕だけ警報が鳴るので、靴を脱がされ時間を取られる。同行の営業課長の案内で、ダイナース・クラブのラウンジに赴く。エミレーツ航空のラウンジは世界中に向かう客でごった返すので空いていて静かなこちらが一種の穴場として社員の間で利用されているのだという。確かに客数も少なく、食べ物や飲み物も充実しているし、無線LANも繋がる。仕事の書類をチェックしつつ、3時間近くゆっくり過ごす。


ふと気づくと搭乗時刻が近づいてきたので、いそいそとラウンジを後にしてゲートへ。かなり歩く。エミレーツ航空723便はA340-300。シートがかなりゆったりしている。シェルフラット型ではないが、ほぼ水平に倒れるのでのんびり過ごす。すると、「朝食です」との案内。機内でもラウンジでも軽く食べているのだが、また箸をつけてしまう。フレンチ・トーストが熱々で美味しい。食後、うとうとしているうちに着陸態勢となり、アジスアベバ国際空港に定刻に到着。思いの外近代的な空港で驚く。入国審査を済ませ、荷物の受取場所に向かう。羽田で預けたきり、スルーだったので不安も大きかったが、果たして無事に全部届いていた。荷物が多い所為か、税関職員と思しき係官にカバンの中身を見せろと言われる。が、パスポートを差し出すと”Ah! Japanese! OK!”と、あっさり免除される。我が国と国民への信頼感がそうさせるのだろう。出口には駐在員がお出迎え。荷物をクルマに積み込んでホテルへ。シェラトンホテルは周囲とは別世界の豪華さ。同じシェラトンのせいか、アルジェリアを思い出す。チェックインを済ませ、荷物を部屋に置いてからホテル内のイタリアン・レストランで昼食。今日何度目の食事か忘れてしまいそうだが、スパゲティ・アラビアータは思いの外辛くて美味しい。食後、明日以降のスケジュールについて打ち合わせをして、その後市内を見学。市の中心部にはビルも建っていてそれなりに都市の形をしているが、少し外れるとトタン板のバラックだらけになっていて驚く。夜、駐在員の案内でエチオピア料理を食べに行く。店内にはステージがあり、地元の踊りと歌が披露されている。インジェラと呼ばれる料理は、僕は嫌いではなかったが、他の同行者たちには概ね不評。ホテルに戻り、明日の支度をしてから風呂に入る。長い一日が終わる。

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