朝9時過ぎに起きる。「サンデージャポン」を見ながら妻のつくったホットケーキを食べる。ふんわりしていて美味しい。11時半に家を出て、東西線?東葉高速線の直通電車で東葉勝田台に向かう。勝田台で京成線に乗り換え、そのまま空港には行かずに、京成成田支線に乗り換え、東成田駅を探検。


人っ子一人いない地下ホームはコトリとも音がしない不気味な雰囲気を漂わせており、冷房も効いていないため異様な熱気と空気の重さを感じる。かつての成田空港駅だった同駅は、かつてスカイライナーが使っていたホームがそのまま放置されており、駅名標も「成田空港」のまま残されている。そうした遺構をホーム越しに見学した後、改札階に上がる。かつては広々していたであろうコンコースは仕切柵で区切られ、誰もいない無機質な駅になっている。改札を出ると、「曲水の宴」なる壁画が掲げられている。恐らくは、日本の玄関口として外国人観光客に見せるためだったのだろうが、空港駅が移った今、この壁画に眼を遣るのは空港や関連施設で働く職員のみだろう。この駅もまた、成田空港の悲劇を物語る重要人物のひとりだということをひしひしと感じさせられる。この駅は、空港第2ビル駅との連絡通路があると聞いていたので、てくてく歩くことにする。しかし、無機質な通路が延々500mも続き、同じ景色しか眼に入らないので面喰らう。しかも、要所要所に監視カメラが設置されており、まるでSF映画のワンシーンのような気分になってくる。ようやく第2ターミナルに到達すると、眼前には保安検査場。「お客様をお迎えするために参りました」と下手に出て免許証を見せると、ベテランと思しき警備員氏も「それはお疲れ様です。どうぞお通り下さい」と丁寧に応じてくれる。到着ロビーでコーヒーを飲みながら待っていると、日航406便の「到着」表示から1時間近く経ってようやくフランス人たちがやって来る。14:45発の箱崎行きのリムジンバスに乗る。もう3年連続なので慣れたものだ。バスの中で、フランス人にあれこれ質問される。渋滞もなく小一時間で東京シティ・エアターミナルに到着。すぐさまタクシーに乗り、人形町のウィークリー・マンションまで連れて行く。チェックイン作業を終え、一旦帰宅する。汗びっしょりになったので、着替えてから18時からマンションの理事会に出席し、19時過ぎには家に戻り、妻のつくる夕食を食べる。「さんまのスーパーからくりTV」から「篤姫」に流れるいつものパターンでテレビを見たのち、今度は羽田空港に向け出発する。都営浅草線?京急の直通電車でたちまちに到着。出発便は既に終了しており、出発ロビーのカウンターは閉鎖されていたが、到着口は、地方から帰京あるいは上京する人たちでごった返している。プラカードを持って出口で待っていると、扉の向こうにバゲッジ・タグを照合・回収する職員たちが侍立している。微動だにせず客を待っているのを見て、その職業意識に吃驚する。これは矢張り会社の教育の賜物だろう。確かに、これまで航空会社の社員がだらしなくぶらぶら立っているのは見たことがないが、四六時中神経を張りつめて、緊張を強いられるのも大変だろうなぁ、などと思っているうちにトルコ人達が無事到着。イスタンブール?ドバイ?関空?羽田の乗り継ぎでやってきたので、流石に疲れた様子。回教徒なのでスカーフでも巻いてくるのかと思っていたら、ピチピチのTシャツにサンダル履き、マニキュアもペディキュアも塗っているし、目の周りはメイビリンのCMのようなメイクをしているので、むしろ安心する。来たのと反対に、羽田から京急に乗り人形町まで連れて行く。週末の夜ということもあり、京急線が思いのほか混んでいる。トルコ人たちもぐったりしているが、なんとかウィークリー・マンションに送り届け、日付が変わる頃帰宅。長い一日がようやく終わる。

シティ・エアリンク(羽田~成田)
テイチクエンタテインメント (1989-05-25)