小飼弾氏のブログ“404 Blog Not Found”で「先着16名に著書献本」との応募にダメモトで申し込んでみたところ、先日送られてきました! しかも、前後してご本人からメールまで届きました!
技術評論社
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タイトルを見て「ギーク(おたく)向けの本なのか?」 と敬遠する向きもあるかも知れませんが、どんな本であっても、自分なりの受け止め方、読み取り方、活かし方をするのが肝要なのであって、訳の分からない用語を読み飛ばしても、十二分に読み応えのある内容になっています。
David Heinemeier Hansson:
そう。生物はConfiguration(設定)をいじりまくるのではなく、Convention(規約)をそのまま援用している。いろいろ設定を変えてうまくいくものだけ拾い出すより、きちんと動く設定を少しずつ変える方がうまくいくんだ。
伊藤直也:
英語がしゃべれるとかすらすら読めるようになると、最新の技術(記事)とか論文も読めるので、それで差がつくだろうなと昔は思っていたんですけど、日本語で書かれた文章でも良い本はたくさんあって、そういうのを全部読んだかっていうと、読んでないですよ。
Larry Wall:
<<(私は)金持ちです>> どれだけ持っているかではなく、どれだけ与えることができるかというのが金持ちの定義なら。
小飼 弾:
私にとっての「ポストモダン」の定義は、「善の反対もまた善」というものです。これは「プログラマーの三大美徳」を見れば顕著です。
・ 怠惰(Laziness) 全体の労力を減らすための手間を惜しまない気質。この気質の持ち主は、役立つプログラムを書いてみんなの苦労を減らしたり、同じ質問に何度も答えなくていいように文書を書いたりする。よって、プログラマーの第一の美徳である。
・ 短気(Impatience) コンピュータが怠惰なときに感じる怒り。この怒りの持ち主は、今ある問題に対応するプログラムに留まらず、今後起こりうる問題を想定したプログラムを書く。少なくともそうしようとする。よって、プログラマーの第二の美徳である。
・ 傲慢(Hubris) 神罰が下るほどの過剰な自尊心。または人様に対して恥ずかしくないプログラムを書き、また保守しようとする気質。よって、プログラマーの第三の美徳である。
Evan Williams:
私が失敗しても下りずに済んできた(failing without quitting)のは、うーん、…諦めの悪さかな。失敗すれば落ち込むけど、失敗というより、過程なんだよね、うまくいくための。失敗しなきゃ、何もわからない。すでに手をつけたことに関しては、簡単に諦めなかったのが私がうまくいった理由。Bloggerはもう動いていた。諦めてしまうにはあまりにしっかりと。あなたは、人生に手をつけてはいないのですか?
小飼 弾:
今回のインタビューで最も印象的だったのが、「それは私の才能ではありませんでした」(That was not my talent,)という台詞。これは自分の得意分野に自信があるからこそ言えることで、この点に関してアルファギークたちは共通しているのですが、ユーザーの立場でこれをはっきり言う人は意外と少なく、それだけによけいこの台詞が印象に残りました。あなたは、自分が不得意なことに対して「それは私の才能ではない」とはっきり言えますか?
彼らは(インタビューア、インタビューイとも)一様に、自分の専門分野やその経験について語っているのですが、読みようによっては、生活の上での普遍的なヒントが秘められているように思えてなりません。
世の中に情報は山ほど溢れているけれど、大事なのはそれらをただ眺めることではなく、それを自分の中で血となり肉としてゆく作業の方なのであって、読書と言うのはその作業を最も潤滑にこなしてくれる行為なのだな、ということを改めて認識させられました。もっともっと、本を読まないと。
n-mizuno the fan thereof.