当初の予定から半年遅れることになっていたボーイング787の引渡しが更に遅れ、2009年後半になることが判明しました。


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記事によると、ラウンチ・カスタマーとして50機を発注している全日空では損害賠償を検討しているそうです。同社は小型機としてMRJ(三菱リージョナル・ジェット)発注も決め、こちらもラウンチ・カスタマーとなっていますが、歴史をひも解くと、ラウンチ・カスタマーになるほど規模の大きくなった航空会社の幾つかは破綻の道を歩んでいるのが個人的には気がかりです。

ボーイング747: パンアメリカン航空(1991年に破産、消滅)
ボーイング767, 777: ユナイテッド航空(2001年にチャプター・イレブン【連邦倒産法】を適用)
ボーイング757、ロッキードL-1011: イースタン航空(1991年に破産、消滅)

まさか日本の航空会社が破綻するとは思っていませんが、航空会社というのは巨額の資産(旅客機や関連インフラ)と上昇する経費(燃料費や高給パイロットの給与)を抱え、かつ毎日数多の人命を預かって空を舞い、それでいて世界中のライバルとの競争に明け暮れなければならないという、途方もなく超ハイリスクな商売なのであって、ほんの少しの計画の狂いが、何をもたらすか分からないということは認識しておかなければならないでしょう。
それにしても、一体何が原因でここまで遅れてしまうものなのでしょうか。本来なら、北京五輪に向け全日空が世界に先駆けてB787を飛ばしている筈だったのですが…

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