熟睡していると、機内アナウンスが流れて着陸間近だという。慌ててシートを起こして荷物をまとめる。朝6時前にドゴール空港に着陸。日本に帰る一行と別れ、シャトルバスで別のターミナルに向かう。日本行きの便に乗る時にも使うターミナル2Fなので見慣れているのだが、まだ陽も昇らずお店も空いていないので変な気分がする。Wi-Fiスポットを見つけたので、ヒマに任せてネット接続。ようやく開店したコーヒースタンドでコーヒーを飲む。売店で絵葉書を買い、パリに着いた時に買っておいた切手を貼って書いて送ろうとするが、構内に郵便ポストがない。エールフランスの乗り継ぎカウンターにいる職員に頼んで、代わりに送ってもらうことにする。これまでに何度も世界各地でこういう代送依頼を経験していて、確かに保安上のことを思うと迂闊に設置できないことは分かるのだが、ロンドンのヒースロー空港には出国後の免税店の並ぶロビーにもポストがあることを知っているので、他の空港でも普及してくれないもののかと思う。



9時過ぎになって、AF2384便に搭乗。機体は長距離型ではないA319で、狭い機内の窓側の席に身を寄せる。離陸前から眠ってしまい、気づくと機内食が出されている。あまり食欲がないのでパンとヨーグルトだけ食べる。チュニスのカルタージュすなわちカルタゴ空港には定刻に着陸。ここもボーディング・ブリッジが備わっている。初めてのアフリカ出張で行ったモロッコやアルジェリアがタラップだったせいか、蛇腹が出ていると先進的、という印象を勝手に持ってしまう。とはいえ、ターミナルのつくりはクラシックで、入国審査場のつくりも古くさい。荷物を受け取り、待合ロビーに着くと、当地の駐在員の運転手が迎えにきてくれる。陽射しが強く、アフリカに来たんだという気がしてくる。運転手の駆る新しいプジョーで駐在員のいる発電所に向かい、初対面の駐在員にご挨拶。別の訪問客との会議に陪席しつつ昼食を摂り、発電所を見学する。思ったよりも清潔なつくりで驚く。夕方、ホテルに案内されチェックイン。市外から離れているが小高い丘に立ったいわゆるリゾートホテルで、一体何をしに来たのか分からなくなってくる。絵葉書でも書こうかと売店を探すが、フロントのボーイに、そんなものはない、街に出ろ、とにべもなく言われる。夜、駐在員の案内で市内の中華料理屋で夕食。ボロい店だとの触れ込みだったが、予想以上に美味しい料理が出てくる。ビールを飲んで酔っ払ってしまう。ホテルに戻って程なく眠りにつく。

手紙
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posted with amazlet on 07.06.29
東野 圭吾
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