朝7時過ぎに起きて、9時前に朝食。シャツと背広をクリーニングに出しておく。10時過ぎにホテルを出て、支店長の案内でプレトリア近郊にある、オランダ系白人がつくったフォールトレッカー・モニュメントを見学。ピラミッドのような威容だが、これもみんな奴隷の黒人がつくったのかなぁなどと考える。その後、ヨハネスブルグに戻り、アパルトヘイト博物館を見学。こんな明からさまな人種差別が、現代に至るまで続いていたことに驚く。オランダ人の心根にあるメンタリティというものなのだろうか。ホテルへの帰途、カフェ・レストランに立ち寄りハンバーガーを食べる。この界隈は高度なセキュリティで守られていて、車の出入りもいちいちチェックを受けるので、治安の悪いヨハネスブルグでも安全に外を歩けるのだという。確かに賑やかだ。食後にアイス・コーヒーを頼むと、バニラアイスとコーヒーを混ぜた一種のシェイクが出てきて驚くが、甘くて美味しい。午後、ホテルに戻ると、早くもクリーニングが仕上がっている。再びショッピング・モールをうろつく。日曜日なので、早く閉まる店も多いが、昨日も冷やかした大きなスーパーマーケットを歩く。夜、支店長宅で、駐在員とその家族を集めての夕食会に招かれる。あれこれともてなして頂き恐縮する。先日会った元の上司も来ていて、妙に積極的に話しかけてくる。上司だった頃には殆ど口も効いてくれなかったのだが。こういう席で場の雰囲気をぶち壊しても詮無いので、取り敢えず普通に会話する。その元上司、以前僕もシゴかれたこともある別の上司のことを「アイツのフランス語は大したことないんだろ?」などと言ってくる。僕は間近に接してその方のスキルの高さを知っているので「あの方は時々吃音は出ますけど、バリバリに出来ますよ」と反論する。どんなつもりで言い出したのか分からないが、せめてご自身がフランス語を話せるようになってから他人のスキルを評論すべきだろう。まぁ、この人物らしいと言えばその通りかも知れないが、人の言い草を悪く受け止めようとすればいくらでも悪く言えるということも事実なので、自戒を込めて必要以上の反論はしないことにする。この御仁の二度目の奥さまもお見えになっていて、役員が、「失礼だけど、この中で一番お若いご夫人はどなた?」と聞かれてその奥方がやや恥ずかしそうに手を挙げていたのが印象的だった。あれこれと飲み食いして、帰ろうとしたら、例の御仁が「ミズノ、ありがとう」などと言ってくる。別に礼を言われる筋合いもなく、どういうつもりで口にしたのか皆目見当がつかないが、自分が役員の面前で悪く言われることもなく、安心して思わず出てしまったのだろう。あぁ、この人は全く変わらないんだなぁ、と思いながら、適当に挨拶して支店長宅を辞去する。ホテルに戻って、荷物をまとめてから床に就く。
Category: 史上最低の上司
アフリカ出張記(6): Tomorrow’s gonna be another day
朝7時過ぎに起きて支度する。8時前にホテルを出て空港へ。実質僅か半日の滞在なのが心残りだが、限られた日程なので致し方ない。荷物のチェックインを済ませ、ラウンジに向かう。が、ラウンジというよりはタコ部屋とも言うべき窓もないスペースで、黒人の太った小母さんが入口に座っている。それでも、飲み物はちゃんと冷えているし、新聞も最新のものがあるのでゆっくり過ごす。お土産屋に向かい、昨日客先でご馳走になって美味しかった紅茶と、Tシャツを購入。南アフリカ航空7116便は、実際にはタンザニア航空による運航。垂直尾翼にはキリンが描かれていて何だか可愛い。ぼんやりしているうちに、ヨハネスブルグ空港に着陸。形ばかりの入国審査を済ませて到着ロビーで駐在員のお出迎えを受ける。早速、クルマで首都プレトリアの客先に移動。道路も街並みもまるで欧米のようで、他のアフリカとは全く違う様相に眼を白黒させる。夕方、プレトリアの子会社を訪問。ここに出向している責任者が、誰あろう、5年前僕を配属当初の部から追い出した当時の部長であり、まさか再会するとは向こうも思っていなかっただろう。果たして、会議室で顔を合わすと「ミズノ、久し振りぃ」などと妙に元気そうな声で語りかけてきたので、「何の因果でか、地球の反対側でまたお会いすることになりましたね。」と丁重に頭を下げながら返答したら、向こうも笑う。会議中から何か言いたげに視線を注いできて、やおら近づいてきたりもしたが、こちらは恣意的に目を合わせずに、何らコミュニケーションを図りはしなかった。恐らくは、役員に自分の悪口を吹き込まれていないか確かめたかったのだろう。彼にとっての関心事は、いつだって自分のことだけなのだろう。実際のところ、僕は役員には率直に「あの人が部長の時に僕は突然追い出されたんです。彼にとって僕は要らない人間だったんでしょう」と事前に伝えているが、必要以上に悪くは言ってはいない。夜、ホテルにチェックインした後、支店長宅で奥さまの手料理のおもてなしを受ける。僕もお相伴に与り美味しく頂く。日付が変わる前にホテルに戻り、明日の支度をして眠る。
内側から見た組織
会社の労働組合の機関紙に、以前所属していた部署に関わる記事がありました。そこに載っている現場社員の意見が、とても印象深いものでした。
軽蔑のイメージ
会社の10月1日付けの定期人事異動が発表されました。よく見てみると、以前所属していた部の部長が、かなり遠くにある海外の子会社に出向になったという辞令がありました。