今や、文字通り携帯型オーディオプレーヤーの代名詞となったiPod。しかし、そのデビューはいささかひっそりとしたものでした。
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僕自身、2002年の春に第一世代の10GBモデルを買ったのですが、当時はMacOSにしか対応していなかったこともあり、このディバイスに対する周囲の評価はあまり高くなかったことを覚えています。
その当時、何かと難癖をつけていた友人たちも今では全員iPodを持っていて、「なーんだ、本音では欲しかったんじゃん」と思っていますが、優れたハードウェアと、音楽のオンライン販売を融合したソフトウェアで顧客を囲うという見事な戦略で、いわゆるマニアではないその他大勢(The rest of us)の人々にまで市場を開拓したことは紛れもない事実だと思います。
「音楽は全ての人の生活の一部であり、非常に大きな市場。だが面白いことに、デジタル音楽の分野にはマーケットリーダーがいない。クリエイティブやソニックブルー、ソニーといった企業はいるが、誰も正しいやり方を見つけていない」
「我々は、正しいレシピを発見した」
これは、2001年のiPod登場時のスティーブ・ジョブス陛下のスピーチですが、5年前の発言であることを思うと薄気味悪いほどの先見性ではないでしょうか。そして、今アップルとiPodが座っている位置にいて然るべきだったソニーとウォークマンの凋落振りに慄然とする思いがします。