母校の大学では昨日卒業式だったらしい。今でもそうかも知れないが、僕の頃(もう14年前!)は、午前中に全校単位の式典が東京国際フォーラムで行われ、午後はキャンパスで学科毎の集まりになってた。僕は自分が卒業生なのに、関わっていた教材開発グループのクルーとしてビデオ撮影してた。その後、グループの指導教授にランチをご馳走になって昼間からワインをあおり、午後の学科集会に赤ら顔で出席したのを覚えている。

この時学位記を渡して下さった高井先生も、入試の面接官だったメランベルジェ先生も既に鬼籍に入られ、当時の恩師の多くは退官されている。いちいち感傷にひたる歳でもないけど、後の人生に不可逆的な影響を与えた時期だけに、思い出されることも多い。12年間男子校で暮らしてきただけに、入学当初はとにかく女性だらけだったのが驚きだった。あと、content”e”, heureu”se”といったフランス語の女性形が、文法上の活用語尾ではなく実際に用いられることも新鮮だった。僕は相当に性格良くない変わり者だと思うから、あの頃仲良くしてくれた人たちには感謝してるし、今でも僕をおかしな奴として認識してる人も多いと思うけど、それはそれとして、あのカオス女子校状態から学んだことは確実に社会人生活に活かされてるなと折に触れ思う。

男子校ではクラスメートとの恋愛とか、友達以上恋人未満の複雑な感情とか、そーいうものは勿論なかった。前者は遂に大学でもなかったけど、後者はかなり経験した。僕が向こうの気持ちにもっと早く気づいて意思表示をしていたならば、今の暮らしは多分全然違うものになってただろう。スキって感情ほど不思議なものはないけど、自分のものにできないとか遠く離れているからといってその気持ちが消えるものでもないし、大切なものはいつまでも大切にできることも最近は感じている。

いつか絶対に来てしまう別れの日まで、今の気持ちを大切に。
 

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