男性作家7名による恋愛オムニバス。

最後の恋 MEN’S: つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)
朝井 リョウ 石田 衣良 荻原 浩 越谷 オサム 伊坂 幸太郎
新潮社 (2012-05-28)
売り上げランキング: 12364

 
どれも短編なのでスンナリ読めるのだが、それぞれに違う読後感があって味わい深い。
個人的に一番スキだったのは朝井リョウ『水曜日の南階段はきれい』で、高校卒業間際の、当たり前の日常が過去になってゆくその狭間で揺れる少年少女のこころが、今の自分にはもう手に入れようのないものだけに、ひたすらいとおしく思えてしまう。
他の作品たちも甲乙つけがたい良作が並び、これが550円というのは相当にお買い得な気がする。