映画雑誌の編集者をしている主人公の若い女性。その一番の理解者であり、育ての親でもあった叔母が亡くなった。遺品整理のために立ち入った彼女の住処で、古い日記を発見する。生涯独身を貫いていた叔母が、高校時代に見たこと感じたことが、克明に眼前に広がってくる… でも、差し迫ってやらなくちゃいけないのは、来日予定の韓流スターのインタビュー…
『年下の男の子』、『パパとムスメの7日間』の五十嵐貴久が描く青春小説。
叔母と自分のこころと、過去と現在とが不思議に交錯してゆき、読者をやきもきさせたかと思えば猛スピードで次の展開へと運んでゆく…
物語の結末を、主人公自身がやや急ぎすぎているきらいはあるが、若く切ない恋愛をうらやましく思ってしまう一冊。