朝、8時前に出社。恒例の週1回の会議に出席。月曜日からの出張について報告。デスクに戻り、出張の詳細を社内外と調整。昼食後、打ち合わせをしようと思って椅子から立ち上がろうとすると、突如オフィスが揺れ始める。並の揺れではない。机の下の潜る。まだまだ揺れる、ようやく揺れが収まり始めて窓の外を眺めると、向かいのビルがユラユラとしなっている。生まれて初めてみる光景に息を呑む。テレビをつけると東北地方が震源であることが分かる。何度か強い余震を経るが、エレベータも停まってしまっており、身動きが取れない。携帯電話が全く通じないので、妻や親兄弟にPCのメールに自分の無事を知らせるメッセージを送る。鉄道も全て停止。首都高速が封鎖されてガラ空きになる一方で、一般道路がみるみるうちに渋滞してくるのが見える。ともかくも仕事をこなす。陽が暮れた後、家の固定電話にかけたところ、帰宅した妻とようやく連絡が取れる。家の中はメチャクチャだが妻も息子も無事と聞いて安心する。来週の出張について打ち合わせ。22時を回る頃、社内の非常食が配布される。味のない乾パンだが、お腹には溜まる。話し合いが深夜にまで及び、帰宅手段を失って会社で眠る同僚たちと別れて25時過ぎに会社を出る。街中は深夜とは思えない賑わいを見せているが、コンビニの陳列棚からは食べ物が消え失せている。1時間以上歩いてようやく自宅の近所へ。ローソンでちょうど「手作り弁当」が出来上がっており、妻への土産に買う。自宅マンションのエレベータが停まってしまっているので、やむなく10階まで階段を駆け上がる。家の中は、食器棚が動いて皿が幾つか割れてしまったり、書棚が転倒していたり、iMacが机からずりおちてしまってはいたが、テレビは倒れておらず、思っていたよりも大きな被害がなく安心する。帰ったら起こしてくれと言われていたので眠っていた妻を起こし、ともかくも家族の無事に安堵する。妻に弁当を食べさせ、部屋の片付けを始める。結局一睡もせず朝になる。

大震災これなら生き残れる―家族と自分を守る防災マニュアル
山村 武彦
朝日新聞社
売り上げランキング: 32442