朝6時過ぎにホテルを出て空港へ。まだ陽が昇らず真っ暗な道を進む。前回はVIP通関だったので、通常のロビーは初めて。モスクワやアルジェで見たのとそっくりなチェックイン・カウンターで搭乗券を受け取って出国。

朝7時過ぎだが免税店も開いており、モンゴル唯一の名物と言ってもよいカシミヤの店を覗く。モンゴルはウオッカも有名である由だが、乗り継ぎがあるので手荷物で運ぶのをためらう。時間が余ったので、MIATモンゴル航空のラウンジへ。やはりソ連の影響が強かったアンゴラの空港そっくりなつくりをしている。飲み物を飲みつつ、絵葉書を何枚か書き、ラウンジの係員に託送をお願いする。
8時過ぎに搭乗時刻となり、ソウル行き301便に搭乗。前回と同じボーイング737-800。ビジネスクラスは2-2のシート配列だが、深々とリクライニングが出来るわけでもなく、しかもシート以外にエコノミー・クラスとの差異は見出だせない。あまりお腹が空かないので、機内食もあまり箸をつけず。窓際席なので、雪化粧したモンゴルや支那の山々を眺める。定刻12:30に仁川空港に着陸。乗り継ぎゲートからロビーに出る。成田行きのチケットを発券して貰うべく、全日空のカウンターに向かうが、搭乗1時間前に搭乗口で発券してくれるとの掲示があり、アシアナ航空のラウンジで休憩することにする。大韓航空のラウンジとは対照的に、静かで落ち着いた雰囲気。辛ラーメンがあったので、昼食にする。ひと休みした後、全日空の搭乗口に向かい発券をお願いする。韓国人のスタッフのようだが、日本語の訛りもなく別嬪さんなので驚く。その後、免税店で買い物。前回はユナイテッド航空の決まりが厳しくて液体物を殆ど買えなかったが、今回は何も言われないので好きなものを買う。搭乗15分前にカウンターに向かう。ゲートは観光客と思しき人たちでごった返しているが、さっきの別嬪さんに「ミズノさまぁ、ゴールドメンバーの方はこちらへどうぞ」と誰も並んでいない通路を案内される。おかげでわけなく搭乗。全日空908便はエアバスA320でオール・エコノミー。詳しい友人によると、この機体は成田と地方空港を結ぶ国内線用のもので、ソウル便はその間合い運用である由。なるほど機内はギュウギュウ。それでも満席なのは、アシアナ航空とのコード・シェアもしているからであろう。周囲は韓国のパスポートを持った人ばかりが座っている。客室乗務員も、少ない人数で多くの客を捌かねばならず、しかも言うことを聞かない観光客が大勢とあっては、いきおい物腰もツンケンしてくる。普段、必要以上に客をチヤホヤしてくる全日空だけに、この落差にびっくりする。昨年沖縄に行ったときにも同じことを感じたが、観光路線ではそれだけ乗務員の負担も大きいのだろうと察する。機内食は、以前観光で羽田・ソウル線に乗った時と同じランチボックスが出る。さっきラーメンでお腹がいっぱいになってしまったので、フルーツだけ食べる。機内販売もめぼしいものがなく、うとうとしているうちに着陸態勢になる。追い風が強いおかげで、定刻10分前には着陸。珍しく、ボーディング・ブリッジではなくタラップからバス移動。とことん冷遇された便なんだなぁと思いつつ、機外に出ると、一気に暖かく感じて、着ていたジャンパーを脱いでしまう。モンゴルの気温に身体が慣れてしまったのだろう。短期間の滞在だというのに、人間は慣れの生き物だとつくづく思う。入国・税関を無事クリア。同行した上司が「あの便の扱いはひどかったな。もう全日空便はよそうな」とこぼす。別に会社全体が悪い訳ではあるまいし、飛行機を地上に寝かしておかない運用のアイデア自体は良いものなのだろうが、往路の大韓航空が素晴らしいサービスだっただけに、あの908便ひとつで全日空への印象が一気に曇った客が我々以外にもいたならば、会社にとっての見えざる損失はいつか少なくないものになってしまうような気もする。往路と同じ京成スカイライナーで上野へ。すっかり日が暮れており車窓の眺めは楽しめないが、あっという間に都心へ。日比谷線に乗り換えて帰宅。妻の具合は相変わらず悪いようだが、息子は元気にしている。夕食を取り、荷物をほどいてから、息子を風呂に入れて寝かしつける。

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