昨晩、上司と「お互いにモーニング・コールしよう」と申し合わせていた通り、朝3時20分に電話する。なかなか出ないが、暫くして無事起きた模様。絵葉書をしたためつつ、荷造りを勧めて4時半前にフロントへ。迎えのクルマに乗り、空港へ。真っ暗なVIP用通路からラウンジに入る。イミグレーションの係官がまだ出勤していない由で暫く待たされるが、コーヒーを飲み、あれこれ話をする。搭乗時間が近づく頃には通関と発券も終わり、誰もいないゲートから搭乗口へ。
初めて乗るモンゴルMIAT航空301便はボーイング737-800でビジネス・クラスが4列しかない。ともかくもシートに座る。離陸前にうつらうつらして、眼が醒めると既にミール・サービス。「ダンプリングとビーフ、どちらにしますか」と訊かれてビーフにするが、いかにも硬い牛肉で、餃子にしておけば良かったと後悔する。出張報告を書き始めるが、眠くなって眼を閉じて仕舞う。そうこうしているうちにインチョン空港に無事着陸。トランジットのセキュリティ・チェックを経て乗り継ぎ便の発券カウンターへ。全日空のカウンターに行くと、我々の便はユナイテッド航空が運航しているので出発ゲートでの発券になる由。ゲートで、あまり手際の宜しくない現地人のグランド・スタッフに発券して貰うと、搭乗時間が近づいてきたのでラウンジには行かずにベンチで待つことに。天井といい通路といい、余裕を持ったつくりなのでゆったりできる。上司らが早々に搭乗した後で、空港の売店に向かい、同僚や家族への土産物を仕入れる。キールズの出店があったので、妻にハンド・クリームを買おうとすると、搭乗券を見た店員に、「ユナイテッドのお客様には100mlを超える液体は販売出来ないことになっております」と断られる。そんな馬鹿な。自分は飽くまでも成田までの乗客で、しかも全日空便として席を買っているのだと説明するが、駄目なものは駄目らしい。仕方なく、容量の小さな別のクリームを買うことにする。普段英語が話せないくせに、こういう場面になるとスラスラ表現が出てくることに、自分でも驚く。語学の習得の一番の近道は、それを必要とする環境なのだと改めて気づく。会社の同僚の為にお菓子を買おうとして、一緒にゆず茶も買おうとするとやはり液体ということで拒否される。代わりに、粉末状のものを勧められたので、買ってみる。ユナイテッド890便に搭乗しようとすると、ボーディング・ブリッジの手前に検査台が置かれ、真剣勝負の手荷物検査が行われている。9・11テロ事件の後、航空機テロの恐怖は何となく薄れていたが、あの日2機も乗っ取られて多くの犠牲者を生んだユナイテッド航空では、テロはいつだって身近にある問題なのだろう。検査が無事終わって乗り込む。ビジネスクラスはいわゆるシェルフラット構造ではなく、座席が真っ平らにはならないが、その代わり、普通の座椅子が思い切り倒れる仕組みになっている。このおかげで、座席同士を仕切る壁がなく、とても開放感のあるキャビンになっている。これはこれでひとつの発想というか見識だなと思う。4年前にニューヨークを旅行した時もこのユナイテッド890便だった。客室乗務員は変わらずテキパキと仕事をしてくれて気持ちが良い。機内食は、成田からが本番になるからなのか、軽いサンドイッチとケーキだけだが、美味しく頂く。機内販売が回ってきたので、実家に買っていなかったお土産を整えることに。日本に近づくにつれ気流が乱れてくるが、成田空港には定刻14:25に着陸。窓を雨が打ちつける。入国審査まで、やや長い通路を歩く。ヒートテック下着を着込んでいるので暑い。税関で、短い旅程を指摘されるが、業務出張であることを告げると理解して貰える。今日はアニエスベーのシャツに細いチノパンをはいていたので、若い学生の観光と勘違いされたのかも知れない。ともかくも無事帰国して、上司らと分かれてスカイライナーのチケットを買う。ちょうど15分後の電車があったので、駅のコンコースにあるスターバックスでクレームブリュレ・フラペチーノを買ってから乗り込む。京成の新型車両は、内外装とも山本寛斎が手がけたとのことで、まだ新しいことも相俟ってかとても明るい印象を受ける。高い天井と、各座席にコンセントがあるのは成田エクスプレスと同じ。お互いに張り合っている様子が見て取れる。初めて乗るスカイアクセス線は、元々成田新幹線用だっただけにカーブが少なく、実際の速度以上に速く感じる。京成の在来線が、市電から出発しているだけに曲がりまくっているのとは対照的。あっという間に上野に着く。地下鉄に乗り換えて帰宅。息子は寝ている。ついさっきまで、妻の友達が娘さんを連れて遊びに来ていた由。疲れたが、荷物をほどいて身体を拭く。夜、何とか頑張って出張報告を書こうとするが、未完のまま眠りにつく。
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