Happy Flight

朝6時に妻に起こされる。5時半に自分で起きるのが辛くなってきた。7時過ぎに家を出る。急遽、上長と福岡に行くことになり、ウェブで航空券を手配。携帯に二次元バーコードが表示されるSkipサービスを試してみようかと思ったが、携帯メールの受信許可設定をしていなかったので、時間が無く諦めてバーコードをプリントアウトする。11時過ぎに会社を出てタクシーに飛び乗る。首都高羽田線が思ったよりも道が空いていたので早々に羽田空港に到着。

時間が出来たので、空港内の蕎麦屋で昼食。妙に上品なカレーうどん。PCで調べ物をする必要が出てきたので、そこそこに席を立ってゲートをくぐり、ラウンジで無線LANに繋ぐ。必要なデータが手に入ると同時に搭乗案内のアナウンスが流れ出したので、出発ゲートに移動する。自分でプリントアウトした二次元バーコードが航空券になる、というのは至極便利なのだけれど、どこかしら不安な気持ちにもなってしまう。でも、ゲート前の改札機にコードをかざすとたちまちに搭乗券が出てきて安心する。全日空253便はB777-200。「トリプルセブン」は全日空の登録商標だから日航は使えない（「スタージェット」なる愛称をつけたけどいつしか消えた）んだよな、などと思いながら腰掛ける。小雨の降り出した滑走路を飛び立ち、うとうとしているうちに既にベルト・サインが消えている。リンゴジュースを頼む。雲の上は快晴で気持ちが良い。着陸前にやや気流が乱れ、上空旋回の後定刻より5分遅れで福岡空港に着陸。大阪から来る関連会社の面々と合流して、渡辺通へ。仕事でここに来るのは2005年12月以来。実に久しぶりで周囲の風景も多少変わっている。ミーティングはつつがなく終わり、空港に舞い戻る。自動チェックイン機で1時間後の便を予約。上長がビールでも飲もうかというので、それならタダ酒にありつきましょう、とラウンジに案内する。ビールだけでなく、焼酎もあったので水割りにして飲む。美味しい。つまみも頬張り、気分も良くなっておかわりをしようとすると、焼酎のサーバーの栓がうまく閉まらず、ポタポタと液体が漏れてしまう。そばにあった紙ナプキンで拭こうとすると、グランド・スタッフの女性がササっとやってきて「そのままで結構です」とキレイにしてくれる。彼女たちの主務である空の安全とは全く関係ない仕事だろうに、こんな酔っぱらいの世話をしてくれることに頭が下がる。搭乗時刻になったので、家族と会社への土産を整えてからゲートに向かう。往路と同じように二次元バーコードをかざすと、係員から「いつもご利用ありがとうございます」と言われる。恐らくは彼女たちの覗くモニタに会員情報が出てくるのだろうが、僅か数秒で色んな情報がインプットされているのだな、と思う。実際は今年初めて全日空に乗っているので「いつも」と言われると何となく違和感もあるのだが、そういう風に言われないと機嫌を損ねる客もいるのだろう。全日空266便はB747-400D。昔は、福岡や札幌便はジャンボ機が当たり前だったのだが、今ではむしろ珍しくなった。2階席に座る。機体がスポットを離れると、ほどなく離陸態勢に。機体はグングン上昇。気圧が低くなるからなのか、さっき飲んだ焼酎の酔いが一気に回ってくる。ドリンク・サービスが回ってきたので、デコポン・ジュースを飲む。美味しいのでお代わりしてしまう。4月からは飲めなくなるから、自分でペットボトルを持ち込むことになるんだろう、などと考える。ようやく酔いが醒めてきた。機内販売で買い物をする。客室乗務員に「贈り物ですか？」と声を掛けられる。それはそうだ、エステ・ロデールを自分じゃ使わんよ、なんて思いつつ適当に回答しておく。カードで支払いを済ませると、なぜか乗務員が商品を持ったまま立ち去ってしまう。何が起きたんだろうと思っていると程なく彼女は戻ってきて「商品をお渡ししておりませんでした、申し訳ございません…」と顔を赤らめる。この会社、なぜかドジっ子やお茶目さんが多い。類が友を呼ぶのか、社風なのか。暫くすると、コックピットからアナウンスが入り、気流の影響で機体が揺れるので、ベルトをきつく締めてくださいとの予告。ほどなく機体が大きく揺さぶられる。偏揺れとその揺り戻しのピッチが鋭く、機体が時速800キロで飛んでいることを実感させられる。機首近くの2階席は機体の重心よりかなり遠い上にあるから、余計に揺れが大きく感じるのだろう。幸い、数分もしないうちに安定飛行を回復して、羽田空港にほぼ定刻に着陸。ボディギア（胴体部の車輪）が着地してから、ノーズギア（先端部の車輪）が着地するまでの間隔が長いのがジャンボの特徴。通路を歩き、モノレールで帰る上長と別れて空港内を散策する。いつもなら、妻にケーキを買って行くところなのだが、もう21時を回っていてどの店も閉まっている。仕方なく、そのまま京急線?都営浅草線?日比谷線の乗り継ぎで帰宅して、妻が作り置いてくれた夕食を食べて眠る。