朝8時前に起床しホテルで朝食。日本でもお馴染みのバイキング形式。これまでずっとコンチネンタル・ブレックファストだったので久しぶりにスクランブルドエッグやソーセージを食べる。充分満足して部屋に戻り、いそいそと身支度。トランクが相当重くなっている。予定より30分近く遅れた9時半にホテルを後にする。荷物をトランクに積んだタクシーの運転手が「こいつぁ重いなぁ」とこぼしていた。休日の朝とあって道は空いており20分ほどでドゴール空港に到着。当てずっぽうにターミナルビルに入ってみると目の前がマレーシア航空のカウンター。しかし物凄い人でごった返している。以前はチェックインを済ませた搭乗券がないと免税手続が出来ず不便であったが、最近では航空券で良いらしく、妻にはチェックインの列に並んでもらい、僕は免税カウンターに急ぐ。幸い免税の行列は長くなく、税関職員はタブロイドを読みながら適当にハンコをついている。おかげで免税品のチェックを受けることもなくすんなり手続きが終わる。妻のところに戻るが、カウンターへの行列はいつまでたっても短くならない。整理する人間がいないうえに、このターミナルがこれだけの人出を想定して作られていないことが原因だろう。ようやく自分たちの順番が回ってきたが、トランクが20kgを超えていることは明白だったので、フランス語も英語も分からないふりをして押し通すことに決める。しかし、荷物の重さについては何も言われず、旧姓が載っている妻のパスポートを見て、航空券と氏名が一致しないと言われたので、「ウィー・ハブ・マリッド・デアフォア・ハー・パスポート・イズ・アメンデッド」と思い切りカタカナ発音で説明して追記のページをめくってみせるとあっさり解決する。案ずるより生むが易し。まだ出していない絵葉書の切手を買おうと空港内の郵便局に行くと、休日のため窓口は閉まっているが、切手の自動販売機は動いている。そこで小銭を入れて買おうとするが投入口が歪んでいてコインが入らない。何発かパンチしてみるが変わらない。諦めようかと思っていたが、ニューススタンドでも切手を売っていたことをふと思い出し無事購入。チューブ型のエスカレータに乗って出国し、免税店を覗くが品揃えの貧弱さに驚く。搭乗まで時間があったので書いていない絵葉書を仕上げてしまう。が、出国後のゲートに郵便ポストがないことに気づき、売店のお兄ちゃんに事情を話すと快く発送を引き受けてくれた。安心して搭乗。行き道と同じジャンボ機だが、今回は満席。アジア系観光客に加え、フランス人自身のバカンスとも重なるのだろう。妻の隣席に座っているアジア人の女性が大爆音で音楽を聞いており僕のもとまで音がハッキリ聞こえてくる。かと思うと突然座席で柔軟体操を始めてそ知らぬ顔で妻に肘鉄を食らわしてくる。困った人だ。我が国の若者もこの女性を笑えないレベルに成り下がっているのも事実だが。途中、何度か眠る。