『クマのプーさん』の翻訳や、数多のオリジナル児童文学作品で知られる作家の石井桃子が亡くなりました。


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『クマのプーさん』の翻訳は1940年(戦前!)ですが、現代の眼で見ても全く色褪せない名訳としか言いようがなく、”Little Piglet”を「コブちゃん」”Pooh Corner”を「プー横丁」と訳すあたりは、今の日本人には出来ない芸当ではないかと思っています(ディズニーランドに”Pooh Corner”という名前のお土産売り場がありますが、「プーさんコーナー」などという品のない訳語がついていて愕然としたことがあります)。
多くの児童文学作品を残した石井女史ですが、プーとその作者たちに対する思い入れはひときわ大きかったようで、後に、クリストファー・ロビンのモデルになったC.R.ミルンの著書『クマのプーさんと魔法の森』の翻訳も手がけ、作者A.A.ミルンの自伝『今からでは遅すぎる』を96歳にして訳したりもしていました。
享年102(101歳)、まさに天寿を全うされました。合掌。

ミルン自伝 今からでは遅すぎる
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