クマのプーさん、と聞いて想像するのはおバカなクマとその仲間たちがはしゃぐストーリーだろう。だが、原作のプーは少し違う。

クマのプーさん (岩波少年文庫 (008))
A.A.ミルン 石井 桃子 A.A. Milne
岩波書店 (2000/06)
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プー横丁にたった家 (岩波少年文庫)
プー横丁にたった家 (岩波少年文庫)

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A.A. ミルン A.A. Milne 石井 桃子
岩波書店 (2000/11)
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原作者アラン・アレクサンダー=ミルンが4作だけ残したプー作品のうち、物語はたったの2作のみ(あとの2作は詩集)。主人公プーのお間抜けっぷりは原作でも健在だが、原作のプーはただ間抜けなだけでなく、どこかしら哲学的でもある。そして、ほのぼのした英国の田舎の森を舞台に駆け回るもう一人の主人公、クリストファー・ロビン。その彼が、「プー横丁にたった家」の最終章でなぜか皆からお別れすることを感づかれ、そして、最後の最後にこんなことをプーに切り出す。

「プー、ぼく、もうなにもしないでなんか、いられなくなっちゃったんだ」

ちょっぴり切なくて、それでいて少し明るい結末は、実際に読んで頂くほかない…