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けやき通りがいろづく頃

昼過ぎに家を出て、葛西駅近くのカレー屋で昼食を取り実家へ。車を借りて妻とドライブ。久しぶりに浅草に行くと、仲見世をかっぽれの一行が練り歩いている。奉納の舞らしい。浅草寺に参拝してから「アンジェラス」で一服。ぶらぶら散歩して、新宿に移動。ルミネ地下の「ゲウチャイ」でタイ料理にする。前々から興味はあったが入ったことがなかった。美味で満足する。店にプミポン国王と思しきご真影が飾られていたので店員に「あれは国王陛下ですか?」と訊くと、「アア、タイノオーサマ!」と肯んずる。店を出た後、妻と別れて大学の友達の披露宴二次会に参加する。会場の住友ビルの場所はよく分かっていないのだが、西新宿は駐車場の案内標識が過剰なまでに充実しているのですぐに辿り着く。新郎新婦の到着が遅れるハプニングはあったが、幸せそうで安心する。いつまでも幸せであって欲しい。深夜に帰宅。

キラーストリート

地下鉄で明治神宮前へ。妻の友人に久しぶりに会う。以降と南青山まで歩く。このあたりの幼稚園に通っていたので、地理には明るい。「天青」で天ぷらを食べる。セントラル青山にこんな料理屋があることに驚いたが、美味なので安心する。妻の友人の友人と落ち合う時間まで余裕があったので、ベルコモンズを冷やかす。ここにくるのは、幼稚園時代に母に連れてこられて以来23年ぶりかも知れない。キラー通りにある幼稚園に通っていたなどと言うと、傍目には気障に映るものかも知れないが、当人にしてみればその当時に選択の余地があったわけでもなく、そういうことをとやかく言う輩がいるとすればそれは一種の田舎者性でしかないのだろう。外苑前の駅で先方と合流し、妻の友人がパティシエをしているケーキ屋に向かう。喫茶コーナーで美味しいお菓子を堪能し雑談する。日が暮れる頃お別れして妻と渋谷まで歩く。「味源」で久しぶりに味噌オロチョンを食べてから帰宅。

東京観光

社長夫人の東京観光にアテンドするため、同僚とともに朝からホテルニューオータニへ。道中、同僚が「水野さん、あのレンガづくりの建物何ですか?」と訊いてくる。「ああ、あれはもとの近衛師団の司令部。今は美術館か何かになってる筈だけど。近衛師団ってのは天皇陛下直属の軍隊で、そこの乾門で衛兵交替をしていたんだよ」と説明する。我ながら変な知識だけは豊富にあると思う。社長夫人と合流して、両国の江戸東京博物館に向かう。初めて見るがなかなか面白い。その後、銀座の資生堂パーラーで昼食。11Fのラウンジならば軽食が取れて空いているというのでそこにするが、確かに静かで眺めも良く過ごし易い。化粧品のシセイドーは知っていたが、レストランを経営しているとは面白いとのこと。その後、源氏物語の本が欲しいとのリクエストに応えるべく銀座のブックファーストを覗くが、洋書の品揃えが悪くあいにく置いていない。僕自身は急遽オフィスに戻ることになったので、同僚に後事を託して地下鉄に乗る。会社で書類づくりに勤しむ。夕方、同僚がオフィスに戻る。本は日本橋の丸善にあったらしい。安心する。日付が変わる頃帰宅。

戦争で死ぬんだったら 何でも出来そうじゃん

朝7時過ぎに起きる。10時前にホテルを出て、のぞみ7号で広島に向かう。同じ車両に修学旅行生と思しき児童が大量におり、うるさくてたまらないのでiPodで気を紛らわせる。昼前に広島に到着し、全日空ホテルにチェックイン。昔はクラシックな趣きだったが、最近リニューアルしたらしく、ずいぶん雰囲気が変わっている。ホテル内のレストランがどこも満席だったので、近くにあるUCCのコーヒーショップで軽く済ませる。社長ご一行が客先を訪問している間に、僕は社長夫人を連れて平和記念公園へ。原爆の子の像や原爆ドームを見せて資料館を見学する。あまり知られていないことだが、リトル・ボーイには日本製の八木アンテナが装着されていて、もっとも効果的に被害をもたらす高度600mで爆発するようにリモート・コントロールされていた。15年前の湾岸戦争で、日本製の電子スコープのおかげで砂漠の地上戦における多国籍軍の被害が最小限に済んだ話は一部では有名だが、戦争における日本製品の優秀さは皮肉なことに、60年前に既に実証されていたということになる。戦争は勿論ない方が良いに決まっているが、いつか我が国は米国に復讐をしなければならない時が来るだろうと、ただぼんやりと何の根拠もなく思う。見学後、社長夫人と近所のスターバックスで一服。ホテルに戻った後、ひとりでアーケード街まで歩いて地元の土産を買う。夜は「半べえ」でしゃぶしゃぶ。地元の牛肉とのことだが、非常に美味しい。文字通りたらふく食べて満足する。

私はICOCAと暮らしています pt.2

朝7時に起きて身支度。やけに豪華な金沢駅に向かい雷鳥13号に乗る。内装は綺麗だが外装が国鉄色なのが何だか可笑しい。加賀温泉駅で社長夫妻も無事合流し、一路京都へ。日本海も、琵琶湖も見ずに熟睡してしまい、気がつくと京都に到着。八条口近くの新・都ホテルに落ち着く。外観はお世辞にも格好良いとは言えないが、内部はすっかりリフォームされており安心する。荷物を預けた後、ジャンボハイヤーで市内観光に出る。MKタクシーの外国人向けガイドは定評があると聞いていたが、なるほど確かに流暢な英語で、思わぬ質問にも淀みなく答えている。僕が予約しておいた鴨川そばの「かにかくに」で昼食。和洋折衷のランチコースだが、幸いカナダ人たちの口にも合ったようだ。その後、二条城、金閣寺、清水寺を見て回る。「思い切った決断をすることを『キヨミズテンプルのステージからダイブする』って言うんだよ」と教えてあげると、若いアメリカ人は「早速契約交渉で使ってみよう」と笑っていた。日が暮れる頃ホテルに戻り、夕食まで若干時間があったので、駅に行ってお土産を整え、ICOCAをチャージする。関西圏でチャージするのは初めてかも知れない。ICOCAが電子マネーに対応したと友達に教えてもらっていたので、JR西日本系列のコンビニを探すが、京都駅は半分JR東海の管轄なので見つけるのに難儀する。ようやく見つけたデイリー・インで雑誌を買う。聞けば、京都駅が電子マネーに対応したのはつい2日前(大阪駅では10月1日から)だったそうな。将来、新幹線の車内販売などに利用が拡大してゆけば面白いだろうなと思う。夕食は「円堂」で天ぷら。普通の天ぷらと言えばその通りだが、普通を普通たらしめるためには物凄い努力が必要なのだろうなと思う。思いがけず先方の社長が「今日は俺がおごる」と言ってくれ、一同感謝する。ホテルに戻った後、駅の周りを散歩してから眠る。