夕方、妻から電話が入り実家の雄犬がとうとう危篤に陥ったので、看取りに行くとの連絡。来るべきものが来たのだと思う。今年の春、雌犬が癌にかかって手術したが、腫瘍を取りきれなかったので余命は長くないと言われ、週末に機会を見つけては見舞いに行っていたが、健康だと思っていた雄犬が骨髄癌にかかってしかもあちこちに転移していることが最近になって判明し、雌犬よりも先に逝ってしまうことになった。犬たちの実質的な飼主である義姉と僕が仲良く話しているのに嫉妬してか、雄犬はある時から僕にやたらと吼えるようになっていたが、つい先々週、実家で彼が何の前触れもなく突然すり寄ってきて、前足を差し出して握手をしてきたことがあった。自分の死期を悟っていたのか、いなかったのか、彼なりの挨拶だったのだと思う。ともあれ残業して帰宅。妻がいない家に帰るのは久しぶりのこと。今日で8月が終わる。

ずーっと ずっと だいすきだよ
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