今年は計162冊も本を読んだ。総じて良い本ばかりだったと思うけど、あえて順位をつけてみることに。全部のランク付けは難しいので、順不同で最上位5冊、最下位5冊を選出してみた。
【ベスト5】
- リテイク・シックスティーン(豊島ミホ・著)
タイムスリップという、SFのネタとしてはベタな材料が主役になっていない、ありのままの高校1年生の青春が美しい。 - 悪童殿下(工藤美代子・著)
「ヒゲの殿下」こと、寛仁親王殿下のご足跡、ご遺徳をたどる佳作。 - いとみち 二の糸 三の糸(越谷オサム・著)
三作にわたる、青森の田舎女子高校生のドラマ。実写化してくれないかなぁ。 - 日本海軍400時間の証言(NHKスペシャル取材班・著)
これぞジャーナリズムともいうべき、丹念な取材で掘り起こされる失敗の本質が凄い。 - 何があっても大丈夫(櫻井よしこ・著)
なぜ彼女はあそこまで強いのか。自ら綴る生い立ちが唯々凄まじい。
【ワースト5】
- 年下恋愛(梅田みか・著)
自分と「うちら」だけの身勝手な論理でひたすら塗りつぶされてゆくストーリー。大学の出身学科の「私かわいいのよ特別なのよ」的な雰囲気に舞い戻りたい方はどうぞ。 - 成功のコンセプト(三木谷浩史・著)
ミッキーが優秀で天才的な起業家なのはよく分かるんだけど、楽天という企業体がそれに全く追い付いていないことが逆説的に浮き上がってしまう作品。 - 日本企業を復活させる「超合理化経営」(田邊耕二・著)
天皇制を廃して皇居をゴルフ場にするのが合理化らしいです。死ねばいいのに。 - トヨタがF1から学んだこれだけのこと(赤井邦彦・著)
ひたすら「トヨタはガンバったんだ悪くなかったんだ」的なヨイショ記述に明け暮れる本。ベテラン・ジャーナリストとしての知見がかけらも見えてこない怪書。 - 起業家の銭地獄 「巨悪」欲望の暗闘史 二巻(有森 隆 グループK・著)
ベンチャー企業をめぐるカネにまつわるお話。興味深い記述も多かったけど、実際の当事者にどれだけ取材したのかが極めて疑問で、伝聞を事実として書いてしまっているように思えるのが残念。
来年もたくさん読もう。