超売れっ子になった作家を早くから見出し、出版社内で勢いに乗る編集者。と、別居中の妻子が旅行中の福島県で列車事故に遭う。そして…
福島での大地震を予見している(本作品は2008年発表)と一部では話題になったらしいが、それは物語の本筋とはあまり関係がない。
著者の山田悠介はホラー作品を手がける作家と聞くが、僕は本作品が初見。確かに、どこかしこにホラーのような匂いはするのだが、読み終わってみると、ベタではあるけど、自分が本当に必要としていたものに気づかされる。
グイグイ引き込まれる展開に乗せられて、僅か1日で一気に読み終えてしまった。あとがきも解説もない潔さも嬉しい。