朝日新聞が「NHKの従軍慰安婦関連番組の内容を自民党代議士が圧力を掛けて変えさせた」と報じたことが大きな波紋を呼んでいます。
Article from: 朝日新聞、NHK、産経新聞、くまりんが見てた!
安倍晋三、中川昭一という二世のタカ派政治家が揃って本人自ら圧力を加えた、というのも何だか出来すぎのような気がしますが、メディア報道なるものの本質が垣間見える事象という気はします。
以前、石原慎太郎都知事が環境庁長官を務めていた際に、ある新聞社の記者が事実を明らかに歪曲して、さも彼が無能大臣かのような記事を書き続けたところ、弟の裕次郎氏の方が怒り出してしまい、「記者クラブを出てきたところを張り倒してやるから、そいつの写真を調達してきてくれ」と電話をかけてきたことがあったそうです。そして、その記者に会いに行った石原環境庁長官は「弟がお前のこと殴るって言ってるんで、ほかの奴が間違えられても可哀想だから写真をくれよ」と切り出し、「俺も大臣なんぞやってなければとっくにお前のこと殴ってたろうけど、まあ弟も出るところには出ると言ってるから、とにかく写真をくれよ」と迫ったところ相手はみるみる蒼ざめてきて、件の記事は上司が自分の文章にあれこれ手を入れて仕立てたものだとか自分の本意ではなかったとか言い訳を始め、大臣室にまでついてきて許しを乞うてきたなどという情けない挿話を読んだことがありました(余談ながら、その記者の体たらくに呆れた大臣付SPが「そんなに言うなら、その上司の写真を持ってきてやれよ」と皮肉ったとか)。
僕自身の個人的な体験として、昨年あるテレビ局から取材を受けて欲しいと言われたことがあります。どんなことを訊かれて何を話すことになるのか、と尋ねたところ、要は自分たちの番組の内容に沿ったことに頷いてくれればいい、とでも言わんばかりの回答だったのに呆れて取材はお断りしましたが、朝日新聞の記者氏もひょっとしたらこれと似たような手法で結論ありきの取材をしていたのではないか、という疑念を捨て切れません。何れにせよ今後に注目です。