「37歳、独身、一人暮らし。これでマンションを買ってしまったら、何かを認めることになってしまう。決して口には出せない、何かを」

年下の男の子 (実業之日本社文庫)
五十嵐 貴久
実業之日本社 (2011-04-05)
売り上げランキング: 14088

独身OLがマンションを購入するところから始まる物語。仕事のちょっとしたトラブルから展開する、13歳年下の社会人になりたての若い男性との奇妙な関係と、自らがお局として認知されつつある職場での微妙な雰囲気。

かつて、37歳(そしてそれ以上の年齢の)の未婚女性と机を並べて一緒に仕事をしたことがあるからなのか、主人公の言動と、その裏側にある、素直になれない気持ちの描写が「ああ、そうなんだろうなぁ」と染み入るように理解でき、ストーリーに余りに引き込まれて、あの頃、自分が結婚していなかったら、年の差など関係なくあの人と交際していたかも知れないな、なんて思いながら、出張中の飛行機の中で一気に読み切ってしまった。

著者が男性ということにビックリするが、アラフォーの人も、カレがいる人もいない人も、楽しく読める一冊。