眠いが何とか起きる。朝、隣の課の人たちと共に取締役と打ち合わせ。本来は担当ではないのだが、フランス語圏ということで陪席。結局、この件とも関連して11月の出張は全て延期が決まる。午後、社外の会議のため九段会館まで歩く。昭和9年(1934年)竣工で、かつては軍人会館と呼ばれた帝冠様式の建物は今もその威容をたたえている。阿南惟幾陸軍大将が、愛娘の結婚式をここで挙げさせたが、折り悪く東京大空襲の翌日となってしまい、予定していた神主が来ないというので、阿南が機転を利かせて近所の靖国神社の宮司を連れてきたという挿話を思い出す。会議はつつがなく終わり、また歩いて会社に戻る。席につくや、社内会議に呼び出される。昨日に続き、粛々と説明を行って承認を得る。夜、まったく予期しない厄介事が持ち込まれて頭を痛める。終電で帰宅。


一死、大罪を謝す―陸軍大臣阿南惟幾 (PHP文庫)
角田 房子
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