まだ実際に飛んでもいない新型座席の宣伝をしたとして、全日空公正取引委員会から排除命令を受けました。


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記事によると、三國連太郎佐藤浩市父子を起用した「プレミアム・クラス」の広告で4月1日運航開始と宣伝しながら、実際には5月まで新型座席を搭載した機体は1つもなく、8月になってもCMと同じ仕様の座席は8機のみというお寒い実態が明らかになり、公取委が景品表示法違反と認定したとのことです。
全日空といえば、1993年頃森高千里を起用した沖縄キャンペーンで、テレビコマーシャルに出てくる海岸は実は沖縄ではなくオーストラリアだった(夏っぽい画像にするために事前に南半球でロケした)ことが発覚して批判を受けた前科がありますが、あれだけ高級感を演出したCMを打ちながら実際には1機も飛んでいなかった、という体たらくでは、同社のキャッチコピー「夢見るヒコーキ」の看板倒れもいいところでしょう。
これまでも、マスコミに叩かれるような不祥事を度々起こしつつ、実に旨い対応で切り抜けることの多かった印象のある全日空ですが、今回はどう振る舞うのかするのか注目されます。余談ながら、全日空は成田など主要な空港の広い会議室を、普段使いもしないのに空港運営会社から長期賃借していて、事故など不測の事態でメディア対応をする時にのみ使う(使われないことを祈りつつ借りてる)のだそうです。こういう一種の危機管理の才覚というか、先を読む力、というのが周囲の評価を左右するポイントになってゆくのかもしれません。

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