航空会社がエコなんて言い出したらおしまいだ、とかねて思っていたのですが、遂にというかやはりというか、出ました。


Article from: asahi.com
記事によると、日航のボーイング777の1機の尾翼の赤を緑に変えることで、環境への取り組みをアピールするそうですが、離陸から着陸まで、強力なジェットエンジンを複数回し続けて延々二酸化炭素を吐き出し、地上にあるときにはAPU(補助電源装置:発電用ガスタービンエンジン)をガンガン回しているし(註:成田空港などでは、GPU[地上電源装置]なるものが備わっていて、飛行機から一種のコンセントが伸びて地上の電源に接続することでAPUを回さずに済むようにはなっているそうです)、機内食のパック容器や紙コップは全部使い捨て、バゲッジのタグには高級紙を際限なく使う……… こんな業界でエコロジーだなんてちゃんちゃらおかしい、という気がしてなりません。
もちろん、環境保全への地道な取り組みというのは、業種を問わず必要だし大事なこととは思いますが、こんな特別機のために塗装変更すること自体がエコに背いてないか? どれだけ資源を無駄遣いしてるんだ? と、うわべだけの偽善が透けて見えてくるような気もします。
余談ながら、マリンジャンボに端を発するいわゆる特殊塗装機は、重量と空気抵抗が増加するために、数パーセント燃費が悪くなるそうです。以前、出張で乗った飛行機がポケモンジェットだったのですが、客室内にいる限りはただの飛行機だったので、何の感慨も抱かなかったことを思い出します。
本当にエコに取り組むのであれば、既に実施している貨物機だけでなく全ての旅客機を無塗装・ジュラルミン剥き出しにすればいいのに、と思ってしまいました。

JALの翼が危ない
JALの翼が危ない

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安田 浩一
金曜日
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