吹雪の新千歳空港で、日航のジャンボ機が離陸許可なしに滑走を始めてしまい、その滑走路には着陸したばかりの別の日航機がいたため、あわや衝突という出来事がありました。
Articles from: iza!, 大石英司の代替空港
ジャンボ機の無断滑走に気づいた管制官が制止したため幸い大事には至りませんでしたが、国土交通省では「重大インシデント」と判断して調査を開始したとのことです。
記事によれば、翼につけていた除氷液の効き目が切れかかっていたので焦って離陸しようとしていたとか、燃料を少しでも無駄にしないためにコックピット・クルーは常に会社からプレッシャーをかけられていた、といった話も掲載されていますが、かつて日航の社内で合言葉にまでなっていた「臆病者と呼ばれる勇気を持て」は一体どこに行ってしまったのでしょう。費用節減を狙ったつもりでインシデント(重大事故に至らなかった事象)を起こしてしまうのでは、経費以上に失うものが大きいということに、誰も気づかなかったとでもいうのでしょうか…
また、乗客となる我々自身も、飛行機は安全が確保されて初めて飛べる乗り物であり、ディレイやキャンセルがいつだって起こり得るいわば不完全な輸送機関なのだという意識を持っていなければいけないのかな、とも思っています。ギャーギャー騒いでも飛ばないときは飛ばないのであって、そうした騒ぎで乗員や職員を焦らせても詮無いでしょう。定時運行というのは航空機に限らず日本の輸送関係者全てが誇るべき美徳の一つでしょうが、それに固執するが余りに結局乗客が不利益を蒙るというのでは、運行に携わる人たち全ての努力が水泡に帰してしまうでしょうから。
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