『いま、会いにゆきます』の市川拓司が描く、一風変わった恋愛小説。
アクアプラントの店を営む主人公の前に、突然現れた美女。中学時代の遠い想い出と、いまここにある日々の不思議な交錯が物語を彩ってゆく…
昨年たまたま書店で手に取った『年下の男の子』以来、恋愛小説を何冊か読んでいるんだけど、この作品は登場人物が多いことや、予期せぬフラッシュ・フォワード/フラッシュ・バックが出てくることもあって最初は読みにくいな、感情移入しにくいな、と思っていた。が、ストーリーが進むにつれて、そんな気持ちは消えてなくなり、あり得る?あり得ない?なんていう問いかけをかき消してしまう、主人公・ヒロイン・友達・肉親の圧倒的なこころのふれ合いに追い立てられるように、あっという間に読み終えてしまった。
「あなたの幸せを定義して」
「愛する人と結ばれて、一生添い遂げる」
「花梨の幸せって? 定義してみて」
「あなたと同じよ。愛すること。そして愛し続けること」
映画化されているのは知っていたけれど、まだ見ていないので、今度DVDを借りてこようかと思うけど、果たしてこの世界観がどれだけ映像で表現されているものか、興味深いところ。