ドリームライナーこと、ボーイング787の引渡が当初の来年5月から、半年程度遅れることになりました。


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記事によれば、遅延の理由は製造過程での部品不足と操縦系統のソフトウェアの開発遅れなど、とのことですが、次世代中型機として大々的な売り込みを行い、また航空会社からの期待も大きかっただけに、ボーイングと発注したエアライン双方にとっての痛手は小さくなさそうです。
本題からやや逸れますが、B787では民間旅客機として初めてカーボンファイバーが本格的に使われるようになり、それによる軽量化や高燃費エンジンの採用によって燃料コストが大幅に減ることが最大のセールスポイントとなっています。但し、カーボンファイバーを30年近く前から使っているF1マシンの世界では、同じ素材で成型してもどうしても「当たり」「ハズレ」が出る(剛性が均一にならない)ことが知られており、また部品が破損した場合の原因究明がしにくい(金属と違い、繊維素材であるため、どの段階で疲労・破損が起きたのか特定が難しい)という欠点もあります。
F1との共通点の多いことで知られる軍事産業機械のメーカーであるボーイングが、これらの特性を熟知していない筈はないのですが、既に700機受注している機体の品質をどのように維持してゆくのか、注目されるところではあります。
ところで、世界に先駆けてB787のラウンチ・カスタマーとなった全日空にとって、今回の遅延に伴う経営計画の見直しは、ある種の正念場かもしれません。
僕自身、次男だから分かるのですが、次男は長男の失敗を見て育っているので、同じ轍は踏まずに済みますし、長男の経験を自分の情報として活用することが出来ます。これまでは沈まぬ太陽・日本航空がいて、その足跡を辿ったり、対抗策を取ることも出来たでしょうが、ANAが世界的にもトップレベルのエアラインとして認知されるようになった今、この未知のトラブルに経営陣がどう立ち向かうのか、外野の評論家としては大きな見所といえます。

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