朝8時に起きる。9時には出発する筈だったのだが、緊急無線が入り(この施設には無線装置しか連絡手段がない)、「鉱山で火災が発生したので緊急態勢が取られている。消火作業を最優先されたい」との交信が飛び交っており迎えのモーターボートが来られない状態となる。やむなく、ロビーでビリヤードに興じて時間を潰す。「ここで1週間くらいのんびりしてたらいいよなぁ」などとカナダ人たちを笑っているうちに迎えが来たので出発。火災について尋ねると、「あれはドリルだ」「掘削中の火災っすか?」「いや、違う。訓練の方ドリルだよ。防災訓練なんだ」とのことで、会社の上層部しか知らない抜き打ちの大訓練だったことが判明。監督官庁も立ち会う本格的なものだったらしい。ロッヂの管理人は何も知らされていなかったから火災を随分心配していたが、これくらい本気でやらないと訓練にならないということなのかも知れない。いやはや。昼前に飛行機で別の鉱山に移動し、施設内で昼食。やはり清潔で快適。再び地下に潜り内部を見学。こちらは岩盤が軟らかいこともあってか、地下水が常時流れ出ている。昨日とは打って変わって『黒部の太陽』の趣き。見学を終え、別の施設に飛行機で移動。10人乗れば満席の超小型機なので、コックピットも丸見えで、風に煽られて旋回の角度がきつくなると途端に警報装置が鳴るのがイヤでも聞こえてくる。そういえば、航空機のチャイムや警報装置の音色はメーカーによって殆ど変わらないように思えるが、統一基準でもあるのだろうか。飛行機は無事に着陸し、つつがなく施設の見学を終えてサスカトゥーンに戻る。途中、雨に降られるが着陸する頃には上がり、空には大きな虹がかかっていた。夕食は、市内の日本料理店ですき焼きやら鮨やらカツ丼やら食べる。カナダ人にとって生卵は稀有な体験だったに違いないが、それでも美味しいと言って食べている。満腹になってホテルに向かう。2日前にも感じたが、つくりは古いものの内装はすっかりリフレッシュしており申し分ない。