名古屋、博多、札幌など地方都市を取り上げてきた筆者が、広島人気質に鋭く斬りかかる。

広島学 (新潮文庫)
広島学 (新潮文庫)

posted with amazlet at 12.05.02
岩中 祥史
新潮社
売り上げランキング: 269357

第1章:広島は世界遺産だけじゃない 〜土地柄と観光・交通〜
第2章:広島人は平均的な日本人? 〜気質と歴史〜
第3章:広島は「はじめて」が一杯 〜全国に誇る起業・発明〜
第4章:世界へ飛び出す広島人 〜移民、教育、出身有名人〜
第5章:何はなくとも赤ヘル軍団 〜市民球団「広島カープ」〜
第6章:広島の弱点はここだ! 〜将来への期待〜

先日、経済関連のニュースを読んでいて、マツダが広島球団株を手放さず、市民球場のネーミングライツも継続し、かつオールスター戦のスポンサーを務めるということは、リストラが本気でないのではないか、という論調の記事があったのだが、本書を読んでみると、そんな経済アナリストの理屈を超越したところに広島県民と、それを支えるマツダのこころがあるのだろうということがよく理解できる。

学生時代、広島の会社の東京支社でアルバイトをしていたし、社会人になってからも営業で幾度となく当地を訪問していたので、本書で書かれていることのそこかしこに頷きたくなってくるし、他の地方学シリーズも読んでしまいたくなってきてしまう。広島をよく知る人も、まったく知らない人も楽しめる一冊。